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柔らかく流れ落ちるほの白い釉はしとしとと降る五月雨。淡い青と灰緑色の美しい釉調は 薄陽のさす曇り空と雨に濡れた木々の景色を想像させてくれます。静寂さや侘しさを感じる水彩画のような景色に 薄い素地と細いくびれた首、豊かな丸みを帯びたフォルムは凛とした風格も漂う北欧のモダンデザインを代表する陶芸家BERNDT FRIBERG(ベルント・フリーベリ)の逸品です。

1899年、SwedenのHoganasという陶窯のさかんな町に生まれ、13歳から作陶助手を始めてからおおよそ22年間様々な窯で経験を重ねたフリーベリ。1934年には、スウェーデンの陶器メーカーGUSTAVSBERG(グスタフスベリ)に籍を置きます。当時アートディレクターとして活躍していたWILHELM KAGE(ウィルヘルム・コーゲ)に師事。 北欧デザインの礎を築いたといわれるコーゲから、さらなる技術や感性を学び、1944年には同社内に自身のスタジオを構えます。生涯、数千におよぶ器を、自ら轆轤を回して制作し、東洋的な釉薬を厳格なまでに追求した職人気質の陶芸家。日本 中国、朝鮮の古陶磁器の影響を色濃く感じられる彼の作風は 詫び寂びの美を好む私たち日本人にも深い感動を与えてくれます。

自然の美しい釉調が奏でる唯一無二の美しさは、そのままの姿が空間を引き締めてくれるでしょう。Vase 底面のサインには『Z』の表記。1955年に制作されたものです。注意:黄色い方ではありません、白い方を販売しています。


コメント : 阿久沢(ショップスタッフ)