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作家はスウェーデンの陶磁器メーカー「GUSTAVSBERG(グスタフスベリ)」の隆盛を極めた時期を支えた「STIG LINDBERG(スティグ・リンドベリ)」による作品。ウェグナーやフィン・ユールと同時期に活躍し、陶芸をはじめ、テキスタイルやイラスト、樹脂製品などの雑貨まで、多岐にわたって溢れんばかりの才能を発揮した人物。師であるWilhelm Kage(ウィルヘルム・コーゲ)の後任として同窯のアートディレクターとなったのは1949年。自身の創作活動と並 行して、世界にスウェーデンデザインを広めるべく尽力しており、日本には59年に来日。西武百貨店で展覧会を開催し、大変な盛況ぶりだったそう。その際にユニークなイラストが描いた同社の包装紙を手掛けたりもした。

こちらは作家として円熟味を増してきた50年代から製作されたVECKLAシリーズ。形状や色味の異なる様々なバリエーションが存在するが、共通しているのはろくろで器を作り、左右から内に折り曲げたり、外に開いたりして成形するハンドメイドであること。単純なワンアクションだが、思慮深さを感じる造形。どの角度から眺めても一切の直線がなく、高台すらない。空気を纏うような繊細なフォルムと、白釉薬のマットな質感は柔らかな陰影を作り出し、眺める角度によって違った表情をみせてくれる。1950年から60年代に製作された貴重なアートピース。


コメント : 中島(ショップスタッフ)