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オランダ人デザイナー、ケース・ブラークマンによるダイニングテーブル。

こちらは自身のキャリアのスタートをきったファクトリーPosteoにて製作されたもの。同社の設計主任は彼の父が務めており、幼い頃から家具は身近な存在であった。デザイナーとしては恵まれた環境の中で育ってきたのですが、やがて第二次世界大戦を迎える。そこで彼の父は息子をアメリカへ送ることに。互いに複雑な心境であったと思うのですが、異なる文化との出会いはブラークマンにとって重要な機会となった。イームズに代表されるミッドセンチュリーの名作に強い影響を受けたブラークマンは帰国後、Posteoでモダンなデザインの家具を多く発表。父の後を引き継ぎ、オランダを代表するデザイナーに成長を遂げた。

一見、北欧の伝統的なラウンドテーブルに見えるが、特徴的なところがいくつか。直径1050mmというコンパクトなサイズはレイアウトし易く、角もないから動線確保にも効果的。天板を中央から左右にスライドすると、メイン天板の下に格納されたスペア天板が現れる。2つに折り畳まれた天板は、絶妙に計算されたからくりによってメイン天板とピッタリ合わさる仕組み。その動作は50年経過しているとは思えぬほど軽い力でスムーズに稼動し、メイン天板にピタリと合わさるところが何とも気持ちいい。一般的にはスペア天板は別のスペースに保管することが多いが、これなら置き場所に困ることなく、重い天板を持ち運ぶ手間もない。横から見たときに幕板が歯抜け状態にならないため、大きくしても意匠性を損なうことのない気配りは嬉しいところ。また、広がるのは天板のみで、天板下の幕板や脚はその場に留まる点も見逃せない。

ブラークマンらしいと感じるのは天板の素材。薄く裂いた木材を積層させた合板を選択し、木端の積層をあえて意匠として魅せている。アメリカでプライウッドの家具を多く見てきた彼ならではの発想だろう。テーパーが付けられ、天板が薄く繊細に見える。脚は直線的ながら、先に行くにつれ細くシャープになり。随所にエッジを効かせた工夫が凝らされている。

次世代へ接続可能な家具として蘇らせました。
フルサンディング(研磨)によって劣化した塗装シミ、傷、汚れを除去し、その後、耐水、耐退色効果のある特殊な素材を浸透・硬化させ、トップコンディションの状態である「ハイク・クオリティ」まで仕上げを施しました。ご購入後、木部のアフターケアも対応します。


コメント : 中島(ショップスタッフ)

Table
20160625
直径1050+(500) H720
Cees Braakman / Pastoe / Netherlands / 1950’s / Birch wood
SOLD OUT