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こんにちは!アトリエボーイのアツシですっ!。ボスが撮る写真もなかなかいいですが、たまにはこうしてゆる〜いタッチで、リペアのことやハイクにまつわるイロイロを紹介していきまーす。

記念すべき一回目は”ファネットチェアのリペア編”。ハイクでも大人気イルマリタピオバーラの名作チェア。可愛らしさに反してほんとうに手が掛かるんです。どーしてこの椅子が一番手間がかかるのか、その工程をみんなに少しでも知ってもらえれば嬉しいです。

この椅子は釘を一本も使わずに作られているから、50年も経つとガタつき、ゆるみがあるものがほとんど。だから一旦全部バラバラにして再構築するする必要があるんです。まずはゴムハンマーでパーツをバラしてゆくんだけど、壊れないように慎重に叩くからとにかく時間がかかる。ひとつひとつバラバラにした後は、古いノリや汚れ、傷を除去するために各パーツを入念にサンディング(研磨)。左手で丸棒をがっちり握って、右手で丸棒を猛烈に研磨するから、最後の方は両手とも握力がなくなってしまうほど。

必要パーツのサンディングを終え、次はパーツの仮組み。背中のスポークの長さ、角度が違い、微調整を行いながらの仮組み作業は、時にイライラし、時にイェイ一発で決まった!と感情の上げ下げが著しい。次の接着作業は、大量のクランプとハタガネを駆使して一気に組み立てる。もたもたしてるとノリが固まってしまうので時間が勝負。

ノリが固まれば、ガタつき、ゆるみがないか最終チェック。ここを通過すれば、クリヤーオイルを染み込ませ、乾燥したらプシューとクローズド仕上げのガン吹き塗装、そしてついにやってきましたっ!本当に最後の作業、ツヤ出しワックスをハンドフィニッシュしてついに完了。

翌日、ボスが撮影して、ショップスタッフがコメントを書いて、お店にディスプレイ。同時にHPに掲載され、売れたらアトリエに再び持ち帰って、出荷前のダブルチェックを済ませ、配達業者さんが持ち去ってゆく後ろ姿を眺めながら「元気でなぁ、達者でなぁ、戻ってくる時はまた必ずここにくるんだよぉ〜、サヨオナラ〜」的な気持ちで見送ります。

手の掛かるモノほど愛着が湧いてきて、手元から離れてゆくのは寂しいですが、無事にもう半世紀乗り切ってくれたらこんな嬉しいことはありません。そのころ僕は80歳過ぎ椅子の行く末は知る由もありませんが、きっと他のリペアボーイが座面裏の張られらたハイクステッカーの日付を見て、丁寧にもう半世紀使えるようにリペアしてくれた時、僕の本当の仕事は完結するかもしれません。

ではっ また次の機会に!



イラストと文:アツシ

How to repair FANETT

2016.12.22

ファネットチェアのリペアあるある