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数々の名作椅子を作り上げてきたハンス・ウェグナーによるイージーチェアGE530。骨太な素材使いはいかにも彼らしいのだが、その量感は同じくGetama社で作られたヒット商品GE290をはるかに凌ぐ。 それを最も象徴するのは、前方から背もたれに繋がる弓なりのアーム。ヘッドレストまで伸びる圧倒的な存在感は、意匠、機能の両面で大切な役割を果たしている。

一見、無垢材をそのまま曲げているように見えるのだが、それは技術的にはかなり困難なこと。思い通り成型できず、苦悩の日々だったに違いない。導き出された解決策は、無垢材を5mm程度の厚みに割き、積層させ、熱と負荷を加えながら再接着する方法。これで亀裂一つ入ることなくご覧の美しい曲線を表現できるようになる。アームから下に伸びる脚も、負けず劣らず太くたくましい。上端の接合部は角型、そして途中から丸く形が変わり、無垢材ならではの重量感を感じさせつつ、ドッシリと床をとらえる安心感はさすがという他ない。

腰を降ろすと、クッションがお尻、上体を優しく受け入れてくれるソフトな感触。奥行き、幅にゆとりがあり、自由な姿勢がとれるので、長く腰掛けることができる。低めにセッティングされたアームは、浅く腰かけた際にもベストな位置で待ちかまえ、椅子が体に馴染むような感覚がある。すると、自然と足は前方に投げ出す格好となり、全身の力が解放されるような快適さを味わえるだろう。立ち上がる動作では、太いアーム先を握ると、力が入りやすく楽に感じた。背もたれは適度な角度がつけられ、体は自然と後方へ。ヘッドレストによって、首や肩に力を入れることなく、寛ぐことができる。映画を楽しんだり、長編小説をじっくり読み込むには最適な一脚になるだろう。

樹種はダークトーンに仕上げられたオーク材。もともと力強い木目の持ち主ですから、素材のもつパフォーマンスを最大限に発揮している。レザーは使い込まれてしっとりとした艶と触感。重厚なフレーミングにはやはりレザーがよく似合う。レザークラックなどありませんが、使用感があるヴィンテージコンディション。メンテナンスではクリーニング後に、レザークリームでトリートメントを済ませていますから、安心してご利用になれます。ご心配な方は現物確認後にお申し込みください。

次世代へ接続可能な家具として蘇らせました。
フルサンディング(研磨)によって劣化した塗装シミ、傷、汚れを除去し、その後、耐水、耐退色効果のある特殊な素材を浸透・硬化させ、トップコンディションの状態である「ハイク・クオリティ」まで仕上げを施しました。ご購入後、レザー、中材の交換、木部のアフターケアもご対応します。


コメント : 中島(ショップスタッフ)

Easy Chair
16D06-0161
W780 D890 H800 SH430
Hans J Wegner / Getama / Denmark / 1973 / Oak wood
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