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ハンス・ウェグナーによる3シートソファAP32。製作はウェグナーの代表作ベアチェアを手掛けたAP Stolenによるもの。一見すると「ウェグナーらしくない」と思われるかもしれない。それは彼自身が木工を得意とする職人でもあったからだろう。木材を用いない作品の場合には意匠がユニークだったりするが、このソファは控えめ。但し、職人と膝を付け合わせてコミュニケーションをとり、造り手の長所を活かしたデザインを得意とするウェグナーは、椅子張メーカーであるAP Stolenに木部が殆ど露出しない張り包みソファを作らせたのはむしろ自然なように思う。

座り心地について、そこは椅子の巨匠ウェグナーですからご安心を。座面のクッション材にはスプリングと、馬毛や植物の繊維による天然素材が用いられており、程よい弾力をもって体を支えてくれる。この天然素材というのは現代では殆んど出回っていない希少素材ですから、ヴィンテージならではと言えるでしょう。メンテナンスではスプリング調整と併せて、丁寧に天然素材をほぐしてあげる事でまた当時の弾力を取り戻している。沈み込みが少ないから、両足をあげて胡座をかいたり、ゴロンと横になるにも最高。背やアーム、どこにもたれても柔らかな曲線に、ソフトな触感。ぜひ自由な姿勢で寛いでいただきたい。

構造体には鋼鉄が用いられており、持ち上げるとよく分かるのだが、全身にずっしりと重みを感じる。オーク無垢材のテーパーレッグは控えめながら、しっかりと床を捉え、揺るぎない安心感として座り心地に影響している。奇抜さも、斬新さもないソファですが、座り心地を追求したこのデザインこそが、後世へと受け継がれていくのでしょう。

張地は国内で張替え済み。生地はファブリック分野で世界的なトップブランドKvadrat社の“Medina”をセレクト。生地の価格は¥18,000/m。張替えには生地が7.6m必要で、生地代だけでも¥136,800。これに張替加工賃も加わるのですが、これら全ては価格に含まれおり、最高ランクの生地をお楽しみいただけます。アフリカの大地や都市にインスピレーションを受けたMedinaは、立体感のある織りでゴツゴツとした地表を表現するよう。一方で光沢感のある糸も織り交ぜ、都会的でラグジュアリーな一面も見せてくれます。プレーンなソファだからこそ、表情豊かな生地がよく似合います。

次世代へ接続可能な家具として蘇らせました。
フルサンディング(研磨)によって劣化した塗装シミ、傷、汚れを除去し、その後、耐水、耐退色効果のある特殊な素材を浸透・硬化させ、トップコンディションの状態である「ハイク・クオリティ」まで仕上げを施しました。ご購入後、中材、張り生地交換、木部のアフターケアもご対応します。


コメント : 中島(ショップスタッフ)

Sofa
16D02-0076
W2000 D770 H780 SH380
Hans J Wegner / AP Stolen / Denmark / 1956 / Oak wood
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