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ハンス・ウェグナーによる「ハートチェア」。3本脚のユニークなシルエットが目を惹くが、よく見てみればこれにはウェグナーらしい思慮深さが込められていた。

この椅子は同じく3本脚のラウンドテーブル用にセットでデザインされた。そのテーブルは通称ハートテーブルと呼ばれている。脚と脚の間に2脚ずつ、合計6脚収めてみると、花が咲いたように美しい様子を見せてくれるセットで、2脚が隣り合うと2つの座面がハートのよう。これほどテーブルを美しく演出する椅子は中々ないでしょう。また、昔のデンマークは室内もゴツゴツした石畳で敷き詰められていた。その為、ゴツゴツした床には4本脚よりも3本脚の方が安定し易く、古い椅子には3本脚が少なくない。ウェグナーはその文化を大切に想いリデザインし、このテーブルセットを考案したと思われる。

腰を降ろしてみると、意外にも安定感がある。3本脚と言えども後脚は幅広な位置にセットされ一般的な椅子と大差ない。これなら不安定さで3本脚を敬遠する方にも問題なくお勧めできる。むしろ前脚が1本な分ゆとりがあり、自分の足が椅子の前脚に当たることなく開放的。太い背の笠木は背あたりがよく、上手に体重を分散してくれる。スタッキングして置けるから、省スペースで収納できる機能性も。美しいシェイプを活かして普段はお部屋にディスプレイしておくのも悪くないかもしれない。

製造はデンマークのフリッツハンセン。セブンチェアなどアルネ・ヤコブセンと数多くのヒット作品を世に排出してきたデンマークを代表するファクトリー。ハートチェアには彼らの得意とするチーク材のプライウッドが座面に採用され、裏を返せば当時の刻印が残されている。フレーミングのオーク材は座面のチーク材と変わらないくらい深く深く飴色に経年変化して、長い時間の流れを想像させる。

椅子はとしてもちろんだが、壁面にさりげなく置いても絵になる椅子だ。在庫は2脚、セット、もしくは単体でもご購入も可。左記価格は単体の場合。

次世代へ接続可能な家具として蘇らせました。
フルサンディング(研磨)によって劣化した塗装シミ、傷、汚れを除去し、その後、耐水、耐退色効果のある特殊な素材を浸透・硬化させ、トップコンディションの状態である「ハイク・クオリティ」まで仕上げを施しました。ご購入後、木部のアフターケアもご対応します。

追記:残り1台となりました。


コメント : 中島

Chair
16D06-0066
W530 D430 H720 SH430
Hans J Wegner / Fritz Hansen / Denmark / 1952 / Teak & Oak wood
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