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作業の大半を占めるサンディングを終えた作業場は、サンダー音が止み静けさを取り戻す。

表面に溜まった木屑を一拭きすれば、丁寧にサンディングされ傷や古い塗膜を取り除かれたまっさらな木肌が現れる。 その表面にクリアのベースオイルを塗っていく。 オイルが木肌に触れた瞬間、導管を通じてじっくりと浸透していき、みるみるうちに深みのある濡れ色に変化していく。

塗り残し、塗りムラがない様入念にチェックしながら塗り広げれば本来の姿を徐々に取り戻していく。 半世紀の時を巻き戻したような感覚とサンディングの成果が現れるこの瞬間が一番好きだとアトリエスタッフは口を揃えて言う。

十分に乾燥させた後は、事前に欠けや窪みにパテ処理を施した箇所に木目を描くタッチアップ作業へと入る。 濡れ色になった木目をじっくりと観察し流れや色味を読むとても繊細な作業。 何種類かの色絵具をパレットに載せ調合しながら、油絵を描く様に少しずつ小筆で丁寧に色を塗り重ねていく。 太陽光にあてがいながら様々な角度からチェックし、艶感や色味が自然な木目に見える様微に調整を重ねていく作業は、とても神経を使う作業でもあり ヴィンテージ家具の修復で必要不可欠な作業である。

タッチアップが終われば、さらに耐水、耐熱、耐退色効果を高める為の特殊なオイルを数回塗り重ね、ここでようやく「ベース仕上げ」が構築される。 ここまでくれば作業ももう終盤。

十分にオイルを乾燥させた後、トップコートでもあるワックス掛け作業へ。 ワックスを散布させた後、塗りムラ、拭きムラがないように、体重をかけながら薄い層を表面に作り上げる。 こうする事で、家具を乾燥によるひび割れや、色褪せなどの劣化を防ぎ、撥水効果も高められる。 しっとりとした質感と程よい艶感は天然木の美しさをより高めてくれ、経年変化した木部の表情を最大限活かす事ができる。

こうして、アトリエスタッフの手で丁寧にメンテナンスされた家具達は「ハイク・クオリティー」として本来の姿、それ以上の輝きを放ち再び活躍の場所を与えられる。




記者:谷山

FROM HIKE

JOURNAL on 21 JULY 2017

FINISH WORK