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Gunni Omannによるローボード。彼の手掛ける家具はいずれもシンプルながら意匠バランスが優れ、木目の美しさを上手に引き出している。このローボードもその例に漏れず、本体の幅、脚の高さなどの比率が素晴らしい。前面意匠は大きな引戸のみと、要素を限りなく少なくすることで極めてシンプルな構成を実現している。だが、自分がデザイナーであったらと想像してみて欲しい。これほど簡潔にしてもご覧の美しさを表現することの難しさを。

それではじっくり見てみましょう。まず前面の四方枠に注目すると、それぞれの部材が斜めに組み合わせられ、本体側面から小口が見えない工夫がされている。さらに扉側に向かって斜めにカットすることで陰影が表れ立体感を演出。小口が見えないので、天板から側面へ木目が流れるように繋がる点も美しい。扉はリズミカルにローズウッド材が剥ぎ合わせられ、濃淡のある木目の表情が豊かに感じられる。単調な平面構成に留まらないのはこうしたディテールが効いているから。隅に控えめに付けられた手掛けに指を掛けスライドさせると、想像以上にスムーズに扉は動作。これは日々の生活を考えると大変嬉しいところ。

内部は向かって最左に4杯の引出しが備わっている。前板は本体と同じローズウッド。引出しの底には時計、ジュエリーなどを置いても傷つかないようグリーンのフェルトが貼られている。引出しの高さは収納するものに合わせてご自身で変更可能。そのまま引き抜いてデスクやテーブルの上に持ち出してもいい。ダイニングにレイアウトする場合には引出しにカトラリー、グラス類を収納しても。引出しの位置を本体端にセッティングすることで、扉の開閉は必要最低限でアクセスできる。その他のスペースは可動棚がそれぞれ1枚ずつ備わり効率的に収納できるでしょう。普段は扉で隠れた内部の仕上げはチーク材を用いる贅沢さ。

脚に目を向けると、前面に凹凸をつけることで影を作り出し脚をシャープに細く見せる工夫がされている。幕板は底面と寄り添うことで重量物による本体の歪みを抑える役割を担い、堅実さにも好感がもてる。こうして丁寧に見てゆくとデザイナーの思慮深さに気付かされていく。熟慮されたデザインだからこそ、後世へと大切に受け継がれていくのでしょう。

次世代へ接続可能な家具として蘇らせました。
フルサンディング(研磨)によって劣化した塗装シミ、傷、汚れを除去し、その後、耐水、耐退色効果のある特殊な素材を浸透・硬化させ、トップコンディションの状態である「ハイク・クオリティ」まで仕上げを施しました。ご購入後、木部のアフターケアもご対応します。


コメント : 中島

Cabinet
17D02-0096
W2100 D470 H790 配送料金Eランク
GUnni Omann / Omann Jr / Denmark / 1960's
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