HIKE

アルネ・ヤコブセンによる「DOTスツール」。アントチェアなどと同時期の1954年にデザインされており、彼のベストセラーであるセブンチェアよりも前に誕生している。拍子抜けするほど簡素にまとめられているが、これが中々大変なこと。ヤコブセンはこのスツールを完成させるまでに何度もフリッツ・ハンセンの工場を訪れ改良を重ねたという。

特に脚の曲がる部分、ここの強度が難しい。水平方向への負荷にも耐えられる様に僅かに外側へ開いているが、すると垂直方向の負荷に耐えられない。強度を確保しつつ軽快な脚まわりを実現するために幾度もの試験を繰り返したそう。ただスチールパイプを曲げているようだが、ここまでの道のりは長い。脚先にはラバーキャップが付けられさらに安定感は増している。そして、もう一つの大きな特徴はプライウッドによる座面。この丸みはお尻のカーブに上手にフィットし、座り心地はとてもいい。現在では生産されていないチーク材が使用されている。チーク特有の黒い筋状の木目がとても美しく、経年変化による深みのある表情も素晴らしい。

3本脚モデルは1970年に廃盤となり、現在ではより安定感のある4本脚に仕様変更。機能性が向上した反面、先にお伝えしたヤコブセンの想いは薄まってしまったように思う。座面に真鍮のボルトカバーが備わりDOTという名称らしいアクセントとして効いているが、現行品には備わっておらずヴィンテージでも希少な存在となる。

スタッキング可能ですから、来客用にダイニングの壁面に重ねて置くといい。重ねても傷が付かないよう座面下の脚にはラバーが巻かれているのでご安心を。もしくは奥様のドレッサーやエントランス用にセットされるのもお勧め。ただ置いておくだけで絵になる椅子はそうそうないでしょう。在庫は2脚(単体@70.000でのご注文も承ります)

次世代へ接続可能な家具として蘇らせました。
フルサンディング(研磨）によって劣化した塗装シミ、傷、汚れを除去し、その後、耐水、耐退色効果のある特殊な素材を浸透・硬化させ、トップコンディションの状態である「ハイク・クオリティ」まで仕上げを施しました。ご購入後、木部のアフターケアもご対応します。木材の詳細はこちらをご覧ください。

コメント :　中島

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