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JOURNAL / OUR NEIGHBORHOOD / 小久保商店



今回のOUR NEIGHBORHOODは、ハイクから目と鼻の先にあるあんみつ屋さん「小久保商店」。 種類豊富なあんみつを取り揃える老舗の三代目、川俣博幹さんにお店についてお話を伺った。

谷山:
お店の始まりを教えて下さい。
川俣:
私の祖父が昭和21年にこの場所で開業しました。もともとは卸売り専門でしたが、一般の方にも販売したいという思いから工房の一部を店舗にしました。店舗は今年で20年目になります。
谷山:
当時、ここ東山はどんな場所でしたか。
川俣:
この辺りは、洋服の染色工場、煎餅工場、昆布屋、豆腐屋など町工場が多く下町といった雰囲気でした。 今では、飲食店も増えて大通りの辺りは随分雰囲気は変わりましたね。寒天屋さんも何軒かあったんですが目黒区ではうちだけになりました。
谷山:
どんな方がお店に来られますか。
川俣:
お客さんは比較的ご高齢の60〜70代の方が多く、昔から利用していだだいているご近所の顔なじみの常連さんを中心に、たまたま通りかかって 立ち寄ってくれる方もいらっしゃいます。
谷山:
提供されているあんみつのこだわり教えて下さい。
川俣:
こだわりは、やっぱり寒天ですね。神津島で取れる上質なてんぐさを使用しています。 工房で一晩ゆっくりと水に浸し戻した後、丁寧に煮詰めていきます。素材の味を活かす為、凝固剤など混ぜ物はせず自然に固まるのを待ちます。 そうする事で、透明感のある表情と程よいコシが生まれる。 寒天に合わせるあんこは、さらりとしたものを使用し、黒蜜は香りとコクのある黒糖を使い、くどさのない甘さと濃度に仕上げている。 トッピングする豆や杏も銅鍋でじっくりと煮詰めます。創業当初から作り方はほとんど変わっていません。
谷山:
大切な仕事道具はありますか
川俣:
寒天をサイコロ状にカットする為の天付きと呼ばれる道具です。 毎日沢山の寒天を手作業でカットしますから、作業効率が良く、かつ断面も美しく仕上がるこの道具がないと仕事になりません。 昔の職人が丁寧に作ったもので何十年も使用してますが全く壊れず非常に丈夫ですね。こうゆう道具を作っている職人も今ではほとんどいないですから大切に使ってます。

昔ながらの製法で作られるあんみつは、定番のこしあん、小倉あんに抹茶や季節限定のメニューも並ぶ。 喉越しが良いこだわりの寒天には、さらっとしたあん、程よい硬さの豆、色鮮やかな求肥とフルーツがよく合う。 食べる直前に別容器に入ったたっぷりの黒蜜をかけて食べれば口いっぱいに甘い香りが広がる。 一度食べたら癖になる美味しさは長年の歴史が詰まった老舗の味。 インタビュー中にも、この味を求めて沢山の常連さんがお店を訪れていた。 工場直売店の安心感と新鮮さに加えて低価格というところもお客さんにとっては嬉しいところ。 お近くにお越しの際は、寒天専門店の絶品あんみつを是非テイクアウトしていただきたい。


小久保商店 東京都目黒区東山1-16-16 小久保ビル1F
03-3713-3974
営業時間:9:00-18:00  定休日:日曜・祝日・第3土曜
HPなし



記者 : 谷山
写真 : 中島

OUR NEIGHBORHOOD

JOURNAL ON 4TH DEC 2017

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KAWAMATA HIROMIKI