HIKE

フィンランドのデザイナー、イルマリ・タピオヴァーラによるダイニングチェア。 ル・コルビジェやアルヴァ・アアルトに師事しデザインを学んだ後、マドモアゼルチェアやドムスチェアなどの名作家具を生み出している。 今回ご紹介するファネットチェアもその名作の1つ、上記2点は現行品が販売されているのに対しこちらはヴィンテージ品のみ。

ファネットチェア誕生のきっかけにこんな話がある。 当時、製作を任されていたスウェーデンのEdsby Verken社は家具製作とは別にスキー工場を買収してノルディックスキー用品の販売を始め出す。 その後、スキー用品の販売は成功を収めるも時代の流れと共にスキー業界を撤退。その際スキー用品の生産に使用されていた大量のバーチウッドを消費する為に木製椅子の製作を開始。 デザイナーとしてイルマリタピオヴァーラを迎え入れ、EdsbyVerken社最大のヒット作ともいわれるファネットチェアを1949年に発表した。 1955年からはフィンランドのASKO社でも製作されており、今回のご紹介するのはASKO社のもの。

視界の抜けが良く軽やかな佇まいはファネットチェアの最大の特徴。 腰かけてみると チーク材の座面はお尻のカーブに沿うよう凹みが設けられ、クッション材はなくとも ソフトな座り心地。 背のスポークは1本1本微妙に角度を変えて体と上手にフィット してくれる。 華奢にみえるが、十分な安定感を感じるつくりで、長い時間腰かけてい てもお尻が痛くなりにくい。 また、片手でヒョイと持ち上げられる程軽量で毎日の椅子の抜き差し、別の場所に移動させるのが容易なのが嬉しい。 ダイニングテーブルにセットするのはもちろん、ベッドサイドや空いた壁面にセットしても絵になる椅子だ。

コメント：谷山

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