HIKE

ハスレヴ社とロイヤルコペンハーゲン社による共作のソファーテーブル。両社ともに現存する老舗であり技術力に定評を得ている。特にハスレヴ社にとってこのタイルトップテーブルは代表作と言えるものであり、競争激しいミッドセンチュリー期に確かな存在感を示した。

家具メーカーであるハスレヴ社のトップデザイナー セヴェリン・ハンセンが木部を製作。北欧家具には珍しく角がしっかりと表現され、直線的なフレーミングが緊張感を纏うよう。また、天板と脚を斜めに継ぎ合わせることで小口は一切見えませんから、木目は上から下へとしなやかに流れ落ちるようでエレガントにまとまっている。

そのフレームに彩りを与えるタイルは、デンマークの伝統様式からモダニズムまで幅広い手法を取り入れ、約60年もの間ロイヤルコペンハーゲン社のトップアーティストとして活躍したニールス・トーソンによるもの。ファイアンスという低温で焼かれる手法を使い、土の風合いを残した落ち着きのある色味と絶妙なグラデーション、また繊細なハンドペイントで描かれた抽象的な絵付け。これは1965〜1974年まで製造されていた「BACA」というシリーズの特徴である。経年変化により深みを増したローズウッドとの相性はこの上なく素晴らしい。

タイル天板の利点は美しさだけでなく実用性の高さも秀逸。冷たいグラスを直接置いても水染みの心配がなく、万が一こぼれて汚してしまっても布巾でサッと拭き取れば問題ない。見た目の緊張感とは一転、寛容な懐の持主なのです。リビングにコーディネートしてみると、アートピースとしてお部屋の象徴的な存在になってくれることでしょう。このシリーズとしてはコンパクトなサイズ感も魅力。

タイルは欠けやひび割れも無く半世紀を経たとは思えない程グッドコンディション。天板裏にはRoyal Copenhagenらしい陶器で作られた刻印と、安全性、耐久性、材料や製造方法に至るまで全ての項目が最高基準のファクトリーにのみ与えられる印"Danish Control" のステッカーが残っている。

コメント： 中島

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