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こちらはヴィンテージ品ではなく、インポートの新しい商品となります。

「フランクフルトチェア」は、ドイツのMax Stoelckerが1935年頃にデザインし、彼の父親が創業した家具メーカーから発売された。特に第二次世界大戦後、ドイツの公共施設をはじめヨーロッパ各国で広く用いられるようになったベーシックな椅子だ。その原型と言えるものに、スイスのHorgenglarusが1918年に発表した「Classic 1-380」がある。どちらの椅子もすべて木でできていて、前2脚は真っ直ぐ、後ろ2脚はゆるやかに湾曲し、丸みを帯びた板状の背もたれを支える。Stoelckerはこの椅子を参照してフランクフルトチェアを発想したに間違いないが、一工程で座面やフレームに固定される前脚部分のデザインは、1935年に実用新案特許が認められている。

近現代の54脚の名作椅子を解説する書籍『Chair Anatomy』(James Orrom著)では、ジャスパー・モリソンによるVitraの椅子「Basel」が、フランクフルトチェアをリデザインしたものだと述べられている。これはおそらく正確でなく、BaselはClassic 1-380により近い。座面前部の造形や前脚の角度が、特徴的なフランクフルトチェアのそれとは異なり、Classic 1-380と共通しているからだ。James OrromがBaselのルーツをフランクフルトチェアとしたのは、こちらのほうが人々の間に浸透しているからかもしれない。

古いパンフレットの画像を見ると、この椅子は単にキッチンチェアとして記載され、現在もフランクフルトキッチンチェアと呼ばれることがある。そして「フランクフルトキッチン」とは、オーストリア人建築家のMargarete Schütte-Lihotzkyが1920年代にデザインし、フランクフルトの集合住宅から普及していった、当時としてはきわめて機能的な最初期のシステムキッチンだ。その年代を考えると、LihotzkyがそこでStoelckerの椅子を用いたわけではないが、合理主義的な印象が両者を自然に結びつけ、フランクフルトという呼び名がこの椅子に定着していったようだ。

つまりフランクフルトチェアは、卓越したデザイナーによる由緒正しい傑作というよりは、モダニズムがものづくりの現場に浸透していく時流の中で、一種の集合知から生まれた椅子に見える。だからこそ特別な主張や気取りがなく、空間を選ばない汎用性、親しみやすさ、そして申し分のない座り心地がそなわっていった。そんなフランクフルトチェアがにわかに注目されたきっかけとして、ドイツ出身の現代舞踊家であるピナ・バウシュの作品に、黒くペイントされたこの椅子がしばしば登場したことがある。誰にとっても違和感がないことと、自らの美意識を満たすことから、彼女はそれを選んだのではないだろうか。だとするなら、フランクフルトチェアはある種のデザインの到達点に違いない。

リヒトWEB JOURNAL 土田貴宏デザインコラムより

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Frankfurter Chair
Import
W435 D460 H840 SH470
Max Stoelcker / - - - - - / Germany / 1930's / Beech wood
48,000円(税込52,800円)