HIKE

1900年代フランス製のアノニマスなデスク。

元々キッチンなどで使われたと思われるテーブルだが、小振りなサイズ感はデスクとしての使用にも適している。天板下の高めの幕板には引き出しがついており、小物を収納するのに丁度いい。全体に対しての引き出しの位置やプロポーションが現代にはあまり見ない仕様で、このデスクの顔になっている。取手は鉄製で、経年変化した渋い鉄の表情が木部の質感をより際立たせる。

もう一つ目を引くのが、たっぷりとした量感のある挽物脚。装飾的な要素は控えめで、使い込まれた木の艶と木目の魅力が活きている。足先も丸く加工され、床を傷つける心配もない。天板は使い込まれることで角の丸みが取れ、濃淡のある色合い。天板の上に手を置くと、ひんやりとした木の質感が気持ちいい。なんとなく懐かしさを感じるのは、寺院や古い民家の床を思い出すからかもしれない。100年の時を経過すると、国や意匠の様式を超えて素材が感覚に訴えて来るものがある。

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コメント： 田中

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