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古い家具同様に書籍も"必要とする人へ巡るのが良し"と考える思いから、ハイクオフィスの書棚整理が年に数回行われる。ずっしりつまった二つカバンを両肩に担ぎ、向かった先はHIKEからほど近い古書店「デッサン」。明るい店内には、絵本や美術書など感性が刺激される古書が丁寧に並べられ、整理したばかりの書棚がすぐに埋まってしまいそうだ。

「お待たせしました」と声がかかり査定の報告を受ける。査定結果に喜び、書籍にふたたび新たなステージを用意してくれたデッサンさんに感謝しつつ、どんなお仕事なのか興味が湧いてきて、オーナーの大和田さんに少しお話を伺った。

谷山:
なぜ東山で古書店を?
大和田 :
もともと住まいが近かったこともあったのと、この辺りに子供の為の絵本を売っているお店が無かったのでいいかもと思いはじめました。
大和田:
店名「dessin」の由来は?
大和田:
本を読んだあとにその本のページを見ながら絵を真似てノートに描いてみる、という小さな頃の経験から着想を得て名付けました。ここに置いてある本が、絵を描く、写真を撮る、もしくはまた別の何かのきっかけになればという想いも込めて。
谷山:
1番大切な仕事道具はなんですか。
大和田:
一般的に古書店で無くてはならないとされるのは、本を束ねる為に必要な「紐と紐きり」でも僕らは、「激落ちくんスポンジ」なんです。表紙を綺麗にする為にはこれが一番。(あまりに意外な答えにビックリ!)
谷山:
最後にとっておきの本を教えて下さい。
大和田:
ブルーノ・ムナーリ著「I PRELIBRI(本に出会う前の本)」1980年、イタリアの本で、表紙を開けると紙・プラスチック・布・ビニール・木・フェルトなど、様々な素材でできた12種類の小さな本が入っている。材質の違いを視覚や触覚で確かめることで、五感や想像力を刺激するユニークな本。数年前に、お店を紹介して頂いた雑誌編集者さんのお父様よりお持ち込み頂いた一冊。

店内奥にはギャラリースペースもあり作家さんの企画展なども行っているので、東山に来た際は是非立ち寄りたい古書店。何か面白い発見があるはず。また、アート、建築、写真、美術にさらに的を絞った 「東塔堂」 という古書店も渋谷で営んでいる。どちらのお店でも持ち込んだ書籍は一冊一冊丁寧に査定してくれる。



※東山の店舗は、東京都目黒区上目黒2丁目11−1へ移転しております。

記者:谷山(ジャーナル担当)

OUR NEIGHBORHOOD

2016.10.15

Interview with vintage book store "DESSIN"

Dessinweb.jp