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Ilmm Design Journal #0 Spring 2024

世界を見回すと、年1回または2回ほどのペースで出版される、デザインやインテリアを扱う雑誌におもしろいものが増えている。たとえばデンマークの『Ark Journal』は、その代表だろう。近年、デジタルメディアの隆盛とともに既存の雑誌が読まれなくなってきた一方で、消費されにくい情報にフォーカしたスローな紙のメディアがあらためて存在感を増しているのはとても興味深い。2024年4月に発売されたデザインジャーナル『Ilmm #0』は、こうしたムーブメントに対する日本からのアンサーと言えるものだ。

コンスタンティン・グルチッチやサビーヌ・マルセリスといったLICHTでも取り扱いのあるデザイナー、フォルマファンタズマやセシリエ・マンツはじめ日本でも人気の高いデザイナー、さらにゴンザレス･ハーゼAASのようにこれから知名度を高めそうなデザイナーなど、編集チームの独自の視点を反映したラインナップがまずユニークだ。記事は10ページから20ページ以上にわたる長編のものが多数を占め、十分なボリュームのテキスト（すべて日本語）と豊富なビジュアルによって誌面が構成されている。寄稿や撮影で協力しているメンバーも粒揃い。個々のテーマを掘り下げた内容は、資料的価値も十分だろう。そして斬新さのあるアートディレクションに、ページをめくる手が止まらなくなる。

『Ilmm』（アイエルエムエム）は年2回の発行で、プロダクト、インテリア、建築、グラフィックといった幅広いデザインを扱う。ただし幅広いといっても、それらのデザインは美しい表現性と切り離せないものばかりだ。そんな目に見えるデザインの魅力を大切にするスタンスも共感を誘う。スタート地点そのものである「#0」から、「#1」、「#2」へと完成度を高めていくであろう今後の展開にも注目したい。

Featuring : Formafantasma, Sabine Marcelis & Paul Cournet, Konstantin Grcic, Cecilie Manz, Gonzalez Haase AAS, Overtreders W, NM3, Cure.tain, Giustini / Stagetti, FLOOAT, 三澤遥, 藤崎圭一郎, 井手裕介

表紙は2種類、中身は全て同じです。表紙のご指定は承っておりません。

納期：およそ約1週間。欠品時は別途ご案内いたします。