HIKE

JOURNAL / FEATURES / WHAT IS KVADRAT

私たちは今まで数えきれない程のソファやチェアの張地を選定してきました。また、家具に合わせてカーテンやラグを提案させていただく機会も多いですが、そのような場面において数多あるテキスタイルメーカーの中で常に主要な選択肢に入ってくるメーカーがあります。それが今回ご紹介するKvadrat（クヴァドラ）です。

Kvadratは雄大な自然に囲まれたデンマークのユトランド半島より、上質なファブリックを提供し続けるテキスタイルメーカー。最高品質の素材、カラーバリエーションの豊富さ、美しい発色と微妙なニュアンスの表現力など、テキスタイルの可能性を押し拡げる製品群は世界中で高い評価を得ています。最大の特徴はウールへの強いこだわりにあり、殆どの製品にウールを使用しているほど。ウールは呼吸する素材と呼ばれ、湿った環境下では吸湿し、乾燥した環境下では調湿する機能があります。湿気は繊維内部に吸収されますから肌触りはカラッとして、冬はもちろんですが高湿な日本の夏に最適で、意外にもシーズンレスに使える素材。Kvadratが使用するニュージーランドウールは契約農家から種類を厳選した素材で、使うほどに肌触りは滑らかになり体に馴染んでいきます。また、染色にも適しており、傘下の工場にて染色から紡績まで一貫して管理することで高いクオリティーを維持し続けているのです。加えて耐久性にも注目してみましょう。不特定多数が行きかう公共施設で耐えうる強度は、織り方や混紡比率を研究しつくした結果。一般的には化学繊維が強い分野においても質感のよい天然繊維で勝負できる耐久性がブランドのクリエイションを下支えしています。

そして素材と技術力のパフォーマンスを最大限引き出す優れたデザイナーの果たす役割は大きい。ヘラ・ヨンゲリウス(Hella Jongerius)、ミュラー・ファン・セヴェレン(Muller van Severen)、ロナン・ブルレック(Ronan Bouroullec)ら現代のデザインシーンを象徴するデザイナー達との協働は、紀元前から人々を包み込んできたウールという素材に現代的な感性を吹きこみ、インテリアにおいて単なる生地やラグ以上の特別な存在にまで高めています。ニューヨーク現代美術館やベルリン国会議事堂など世界的に評価を得ている建築に採用される他、安藤忠雄、隈研吾ら日本の建築家にも指名をされ、トップメーカーとしての確固たる地位を確立したと言っていいでしょう。

世界的な認知度の高まりは同時に地球環境維持への責任が伴うことも忘れてはなりません。傘下の工場での製造工程を自社で管理するKvadratは、2040年までのネットゼロ（温室効果ガスの排出量の実質ゼロ化）を掲げ、デザインの初期段階から環境負荷を最低限に保つ意思決定を行なっています。また、自社のエネルギー需要を自給するべく太陽光発電システムの導入にも力を入れており年々その規模を拡大。エネルギー効率のよい新しい設備への刷新も少しずつ行うことで着々と目標に近づいています。そして、従業員の通勤に電気自動車を導入してみたり、在宅勤務を取り入れた柔軟な働き方の提案など、社会的な側面でも私たちを牽引する存在となっています。

このように書いても書き尽くせない魅力のあるKvadratのテキスタイルですが、やはり私たちの心を掴むのはその鮮やかな色彩であり、素材の肌理、肌触り。当店の厳選したラインナップをぜひその目と肌で確かめていただきたい。

KVADRAT RUG EXHIBITION
会場 : HIKE
会期 : 2024年12月7日(土)-12月29日(日)　12:00-18:00　火・水曜日定休

企画展について詳しくはこちらをご覧ください。
会期中の展示ラグ詳細はこちらにてご紹介しています。
通常は月曜日に定休日をいただいていますが会期中は営業いたします。