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JOURNAL / FEATURE / NEW LIGHT POTTERY



照明デザインを手がけるNEW LIGHT POTTERY。奈良県生駒市にある自宅兼アトリエにて、モノ造りに対する姿勢やプライベートについて永冨さん、奈良さんにお話を伺ってきました。

谷山:
早速ですが、お二人が照明計画を始めたきっかけを教えて下さい。
永冨:
もともとは2人共建築設計をやっていて、その中でも設備の1つである照明に興味をもち始めたのがきっかけ。建築全体を見るよりも1つのもの(照明)にフォーカスして突き詰めた方が自分の性格にはあってるんじゃないかというのもあった。照明って設備的な部分がある一方で空間に及ぼす影響も大きく家具としての一面があるのも面白い。特に後者の意匠的な照明を作りたいと思って。
谷山:
仕事場の拠点を都心部ではなく生駒市に選ばれたのは何故ですか。
永冨:
環境も良いし子育てするには良い場所で大阪や都市部へのアクセスがいい所。子育てと仕事の両立が出来るのが決め手。山の麓に住みたいとも思ったし、生駒山が近くにあって起伏があるところもなんか楽しい。西側に生駒山があるから日が落ちるのも早い。早く暗くなるということは照明を作る上では向いてるのかなって。大阪よりも30分は早いんちゃうかな。これは住んでから気付きましたけど(笑)
谷山:
照明を製品化する上で大切にしている事はありますか。
永冨:
まずは、素材ありき。その素材を最大限活かした意匠であってあまりデザインが全面に出ないように、出来るだけシンプルなカタチにこだわっている。料理で例えると釣ってきた魚を塩で焼くだけ。結局、塩焼きって素材を活かした料理の中で究極やと思うんです。だから素材を活かす方法・カタチは常に意識してる。製品化する時はサンプルをいくつか作って実際に家で使ってみて改善を重ね納得できるものが出来れば製品化する。
谷山:
一緒にモノ作りをされている職人さんについて教えて下さい。
永冨:
大体が、ご高齢の熟練の職人さんなんで技術も高い。職人さんの所に飛び込みで「こんなん作りたいんですけど」って出向いてお願いする事が多い、こちらの熱意が伝われば面白がって協力してくれる方が多い。でも、職人さんの数自体は後継者不足の影響や技術の進歩で減っている。技術は確かでも発表する場所が無いのも事実。そういう方々と組んで少しでも貢献できれば僕らも嬉しい。
谷山:
社名である「ニューライトポタリー」の由来は。
永冨:
ライトは大量生産される無機質な工業製品として、ポタリーは素材感とプレミティブな要素が合わさった窯元のようなもの。その間の作品を作りたいという思いを込めて。ニューはライトと組み合わさった時の字面と響きが気に入っていて、「ニューライト」逆にちょっと古い感じとちょいダサな感じもなんかいいなぁと思って(笑)
谷山:
お休みの日は何をされてますか。
永冨:
最近は、自宅で子供とネコと遊んだり庭弄りして過ごすことが多いかな。
谷山:
ご自宅ではどういった家具をお使いですか。
永冨:
エンツォ・マーリ、エットレ・ソットサス、ヴィコ・マジストレッティ…イタリアの巨匠の家具が多い。硬質な家具や歴史的にターニングポイントとなった家具を見ると挑戦したなぁって感じで惹かれる。
奈良:
彼はわりとバックグラウンドを重要視して家具を選んでいて、私はモノそのものを見る感じ。家具に関してはお互い視点が違って面白い。
谷山:
生駒市オススメの場所は。
永冨:
生駒山の山頂にある「山岡ピザ」がオススメ。行くまでに軽い登山があるので大変やけどピザはもちろん、お店から見える景色も最高に良い。
谷山:
最後にご自宅にある「これはヤバイ」というものを教えて下さい。
永冨:
これかな。妻の趣味でもある金継ぎ作品のひとつで沖縄の器「やちむん」。
奈良:
本来なら金継ぎなんで金まで塗って完成、だけどこれは表情をみて黒い線(漆継ぎ)であえて止めてる。かなり時間掛かったし綺麗に仕上がっているし思い入れがある1枚です。

奈良さんの特技である金継ぎがこうじて、陶器シェードに金継ぎを施した商品もラインナップされている。



現在自宅裏に建設中のギャラリースペースがもうじき完成するということで、また再訪する楽しみが増えた。その時は是非ともあの山の頂から街並みの灯りを眺めながらピザを食べてみたい。

ハイクショップではこちらの商品を展示販売しています。



記者:谷山(ジャーナル担当)

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2016.09.30

Inteview with New Light Pottery

Newlightpottry.com