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前回のジャーナルで紹介したレスに続き、北海道上川郡の東川町に欠かせないショップがもう一軒ある。東川の中心地の外れ、商業的には末端のこのエリアで独自の世界観と品揃えで、ローカルはもちろん、遠くは札幌、東京まで多くの人を魅了するショップ・ソルト。そのショップオーナーである米山さんに冬にまつわるインタビューを行った。

須摩:
なぜ東川でショップを?
米山:
今後の自分の生活も考え山でアクティビティをしながら暮らしていければと思って。同時に、自分の背景にあるものを紹介したいというが一番のきっかけです。東川を離れ札幌で仕事をしていたとき、スノーボードをやるようになって頻繁に雪山へ通うようになりました。そこで自分が育ったこの環境の素晴らしさに改めて気付き、ここのポテンシャルは結構あるなと。札幌も好きで住んでいたのですが、今後身を置く場所として地元を見返した時にすごくいい場所だと。
須摩:
どうしてそのようなマインドになったのですか?
米山:
そうですね、大きくマインドが変わったのは、マウンテンリサーチの小林さん、ゲンテンスティックの玉井さんとの出会いが一番大きな影響を受けました。小林さんは長野に土地を購入してフィールドテストを重ねながら服作りをし、玉井さんはニセコのすぐ山の麓でニセコの地形に合うスノーボードを開発したりと、尊敬している人が自然に根付いた生活をしている様子がすごく羨ましく感じられ、札幌を離れ地元に戻る決心をし、2009年にショップをオープンさせました。
須摩:
店名の由来は?
米山:
最初はロゴの感じが好きで、ソルトって読みやすいからいいなと。三文字も良かったし。これは後付け理由なんですけど、人間にとって不可欠なもの、自分たちもそんなお店になりたいなと思って。オープンして8年経ちますけど、やっと店名と自分たちの存在がリンクしてきたのかと思えるようになってきました。
須摩:
東川の魅力は?
米山:
景色もそうですけど、家の中から晴れた日の大雪山が見えた時、夕方の夕日とか、自然と近いせいか、それらが自分たちの生活のサイクル、リズムの中に入っていることがとても気持ち良い。何もないですけど、四季もしっかりあって様々な表情を見せてくれる。当初は雪山ばかりでしたが、時間経過とともに、日常の生活の中で豊かさを見出せるようになってきました。
須摩:
冬の匂いは?
米山:
ピリッとした感じあるような気がして、無臭なんですけど刺すような感じ。そうですね、匂いでいうと何だろう、難しいなぁ、ミントっぽい、スッとする匂い。寒い朝、鼻の通りが良い時がありますよね、空気を吸ってスッと目が覚める感じ。なんだろうな、例えて言うならミントっぽい感じですかね。
須摩:
冬の幼少期の思い出は?
米山:
やはりそれはスキーですかね。小学校4年からスキー少年団に入ってアルペンスキーを一生懸命やっていました。仲の良い友達4人で、学校から帰ってきてすぐにゲレンデに向かって練習してました。コーチがいたんですけど、平日はコーチもいなく、先輩とポールを立てて、自分たちで練習メニューを考えてました。この近郊のスキー場をめぐっては大会によく出ていました。カッチカッチの雪面にエッジを食い込ませて滑った感覚は今でも忘れられず、それをスノーボードでも体現し堪能しています(笑)。
そうだ、旭岳にも滑りに行きました。しかも子供たちだけで!。送り迎えだけ親にしてもらって。その時からパウダーを滑っている大人たちがいて勝手に彼らの後を追って、遭難しかけたこともありました。アドベンチャーでしたね。けれど、幼少期、冬で過ごした時間経過と体験は、今の自分の底支えになっていることは間違いありません。良いも悪いも冬から色んなことを学びました。
須摩:
冬の過ごし方は?
米山:
やはり冬の山に入っているときが一番満たされます。最近なんとなですが、自然に溶け込んでるなぁと感じられる瞬間が出てきました。一人で雪山や森の中に入っている時、「これか〜」という気持ちにさせられ嬉しくなります。今シーズンは特にそんな機会が多いです。自分の山ということもあるかもしれませんが。何度も通うことで見えて来る世界があるのかもしれません。
須摩:
お店について聞かせて下さい。この場所を意識した商品はありますか?
米山:
洋服で言えばマウンテンリサーチ、ササフラス、エンジニアド ガーメンツ、アンド ワンダーなど、この場所で必要不可欠なモノを中心に販売しています。日常とワークを自在に行き来できるような洋服が多いです。あとは、雪山に近いということもありゲンテンスティック・スノーサーフのプロショップとして、スノーボードに関連するギヤやツールを販売しています。特質性が際立った板なので、使う人がモノの良さが引き出せるような説明、接客を心掛けています。購入してくれた人が楽しくなるのが一番ですからね。自分が経験した引き出しをお客様に伝え、一緒に感動し合えたらこんな嬉しいことはありません。
須摩:
冬の東川を訪れたいと思う人にアドバイスを下さい。
米山:
もちろん街でゆっくり過ごしてもらうのもいいのですが、雪と木と動物しかいない静寂の森を体験してみるのもいいかと思います。そう言えば、昨日の帰りも野うさぎを見ました。僕はそんな普通の自然の姿が好きでじっくり見入ってしまいます。動物以外でも自然と自然に近づけるような場所に行って、訪れた人それぞれが何かを感じとってもらえればいいと思います。

雪山の麓で暮らすには大変な労力があるに違いない。けど、米山くんは軽々とスマートに暮らしているように映る。自然の恩恵を授かっていると感じているからこそ、そんな苦労も前向きに捉えることができるのだろうか。ちなみに彼のスノーボーディング(スノーサーフとも言う)はとてもスマートで効率的だ。遠くに視線を這わせ、鋭く雪面を捉え加速しながら、地形に寄り添うように丁寧な弧を描いてゆくライディングはまるで彼の生き方を見ているようだ。彼の真後ろをトレースする度にひとり感動している。



記者:須摩(ジャーナル担当)

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JOURNAL on 4th Mar 2017

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