HIKE

フィン・ユールによるアームチェア「NO.209」。彼のことを既にご存知の方は、一見すると「これがフィン・ユール？」と違和感を覚えたことでしょう。孤高の職人ニールス・スヴォッダーと共に木材の限界をストイックに追求し、家具の彫刻家とも称される彼にしては、控え目なデザインだからだ。こちらは著名なデザイナー家具を数多く手掛けた家具メーカーFrance&Sonによる椅子。詳しくこの椅子を見てゆけばフィン・ユールらしさを感じとることができるだろう。そして、彫刻家ではなくデザイナーとしての秀逸さも、確かにこの椅子は語る。

別名ディプロマットチェア（外交官の椅子）とも呼ばれており、各国のデンマーク大使館で多くの邦人を迎えていたことで知られる椅子。直線的なフレーム構成と、奥深い落ち着きを秘めたローズウッドにより厳かな佇まいは、適度な緊張感をもたらしてくれる。４本の丸脚は座枠との接合面で最も太くなり、強度を確保しながらも、脚先にゆくにつれ細く繊細なカーブを描く。座枠には意匠的な窪みがつけられ、生まれた陰影によって厳格さを表現しているのでしょう。肘掛けは２字曲線によるカーブがつけられ、エレガントな佇まい。腕を沿わせ、手で握った際にフィット感を感じるよう肘掛けの裏も丁寧に削り込まれている。

量感のあるシートはフレームと少し隙間を設けて連結。背もたれは座面と金属パーツにて連結され、木部とは独立した造りが何とも不思議。フレームから浮いて見せるような、“虚”をつく手法はいかにも彼らしい。腰かけるとたっぷり詰められたウレタンフォームがお尻をしっかりサポート。背もたれに体を預けると金属パーツがしなり、適度にベンディング効果が得られる。ゆとりのあるシート幅なので体勢の自由がきき、大柄な欧米人も快適に腰掛けられたでしょう。オフィスや書斎でデスクに合わせたり。

張地、内部クッション材は新規に交換済み。生地は僅かに起毛した柔らかな質感をセレクト。 落ち着きのあるグリーンはローズウッド材と相性抜群。

在庫は2脚、単体でご紹介可能です。左記価格は単体の場合。

追記：1台販売済み。残り1台となりました。

次世代へ接続可能な家具として蘇らせました。
フルサンディング(研磨）によって劣化した塗装シミ、傷、汚れを除去し、その後、耐水、耐退色効果のある特殊な素材を浸透・硬化させ、トップコンディションの状態である「ハイク・クオリティ」まで仕上げを施しました。ご購入後、中材、張生地の交換、木部のアフターケアもご対応します。

コメント :　中島（ショップスタッフ）