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JOURNAL

ハイクのご近所さんをご紹介するOUR NEIGHBORHOOD。 中目黒駅から歩いて10分。駒沢通りに出るとコーヒー専門店のBlue Bottle Coffee、アパレルのDigawelなど素敵なお店が軒を連ねる。ローカル感漂うこの場所に、友人がお店を開いた。独自の審美眼によって日本各地から選ばれた器が並ぶ"Pond Gallery"。オーナーの池田くんにインタビューを行いました。

須摩:
お店を始められたきっかけを教えて下さい。
池田:
実家が料理屋ということもあり器は常に身近にありました。実際に自分が興味を持ち出したのは、シンプリシティ(設計・デザイン事務所)で働いていた時、代表の緒方さんと様々な窯元に同行してからですかね。器そのものも面白いのですが、器を作っている作家さんと話す時間がとても楽しかったのを覚えています。深く知れば知るほどこんなに面白い世界だったと気づかされ、自分のお店を通じてその世界を広められたならと思いお店をはじめました。
須摩:
店名であるポンドギャラリーの由来、場所は?
池田:
姓が池田ということでその"池"から"Pond"ギャラリーと名付けました。物件を探していて、たまたまネットで賃貸物件を探していたら、出たばっかりのこの物件が紹介されていて、場所的にも馴染みがありましたし、駅からも近く、そして内装を自由にしてもいいというのも決めてでした。大きさも程よく、僕には合っているのかなと。
須摩:
器の魅力は?
池田:
お店に置いてある9割が陶器です。僕が陶器好きというのが大きな理由です(笑)。陶器が良いのは磁器よりも温かく柔らかく感じられるからです。日本人はやはり和食が多いので、そうなったときに一番合うのが陶器ではないでしょうか。というのも、田畑で採れた食材を簡素に料理し、土で形成された陶器の器に盛る。卓上には自然そのものがあり、家の中に居ても自然と繋がる。これは日本人ならではの感性かと思います。
須摩:
器を購入する際のアドバイスは?
池田:
これ何用で使うのですか?と良く聞かれます。実際に何用とかはなく、自分の思うままに使っていただければと思います。例えば、これは湯のみとして作りましたが、スープを入れたり、煮物、お茶漬けでもいい。自由な発想でその人が使いたいように使うのが良いと思います。
須摩:
インスタグラムの写真が綺麗です。
池田:
写真家ということもあり、撮影する行為自体が好きです。朝8時ごろお店に着いて自然光で撮影しています。型で成型される工業製品とは違い、ディテール全てが作家さんによる手仕事。様々な視点で撮影しているとあっと言う間にオープン時間になってしまいます(笑)。ここで扱っている器は、料理を盛る前提の器ばかりです。料理を盛って料理が良く見えることが大切で、器だけでは完結しないものばかりです。今後はこれら器に料理を盛った撮影もしていきたいと思っています。たまに作家さんに写真をプレゼントするのですが大変喜んでくれます。彼らからは器を通じて、僕からは写真を通じて、それぞれの思いが共有できたらこんな嬉しいことはありません。
須摩:
普段料理はされますか?
池田:
休みの日だけですけどやりますよ。実家が料理屋ということもあり、小さなころから料理はやっていました。けれど料理家になろうとは思わなかったです(笑)。作ることよりも食べる方が好きなので、プロの人の料理を食べると本当に感動します。そうそう、思い出しました、中学のころサッカー部で体力をつける為に母がよくお肉を焼いてくれました。けれど血が滴り過ぎたり硬かったりと、母の焼き具合が僕には合わなくて、最高のレアー感をもとめ自分でお肉を焼いていました。面倒な子供だったと思います。
須摩:
家の家具、モノ選びは?
池田:
ハイクで購入したダイニングテーブルと椅子。イケアで買った子供用のテーブルもあります。あとはバック作家である妻が作った座布団ぐらいですかね。ソファとかはなく、子供が広々遊べるように今は家具が少ないです。そうですね、モノを選ぶときはそれを見て好きかどうかの直感です。ちなみに国も年代もバラバラですが、直感で選んだモノが不思議と繋がってゆけば良いなと。
須摩:
どんな時が満たされますか?
池田:
写真を撮影している時。特に自然の中でひとり、太陽が昇り、鳥が鳴き始め、景色の彩りが増してゆく頃、小さな自分と自然とが繋がってゆく。その早朝の時間帯にカメラを通して自然と対峙している瞬間はとても満たされます。

池田くんとはもう15年の付き合いになります。ハイクの近くにあったシンプリシティ(設計・デザイン事務所)に彼が勤めていた頃に知り合いました。落ち着いた風情と語り口、口数は決して多くないのですが、導き出されたシンプルな答えに信頼を寄せていました。写真家になるから退社すると聞いた時は驚きました。その後、写真家としてのキャリアも積み、写真展でグランプリを受賞したりこれからの活躍に期待していましたが、今度は器屋さんをやりはじめたではないですか。

池田くんはこう言います。「器をはじめたことで、今までバラバラだった"食"、"デザイン"、"写真"とがやっと繋がってきたように思えるんです」。時代時代で夢中になってやってきたこと。その"好き"の連続性が繋がった今、池田くんならではの太い線を描いてゆくのでしょう。そんな池田くんの話を聞いていて、僕にもまだ伸びしろが沢山あるのではと気づかされ、仕事も遊びも"好き”なことは積極的に向かっていこうと思い直しました。




写真:池田裕一
記者:須摩光央

OUR NEIGHBORHOOD

JOURNAL on 22ND JUNE 2017

INTERVIEW WITH POND GALLERY DIRECTOR "YUICH IKEDA"

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