HIKE

日に日に強まる日差しはモノの輪郭をはっきりとさせて、床に濃い影を落とす。視界がゆがむような外の様子に眉をひそめる。そんな私を横目にローズウッド材のネストテーブルは淡々とリビングに佇む。室内の空気に冷やされたせいもあるだろうが、手を添わせてみると気持ちは安らかになり心地よかった。

意匠は簡素にまとめられ、それぞれの線は細く繊細。深くて黒に近い筋が幾重にも入った木目はそのシルエットラインを強調してとても美しい。天板の小口に注目してみると、無垢材が太めにまわり滑らかなテーパーをつけることで天板を薄く見せている。また、陰影もできるため木材のもつ硬質な印象もより際立つ。それぞれの天板裏にはガイドレールが備わり出し入れの動作は容易。サッと収めても均一な間隔でいつでも整っている姿は気持ちがいいもの。収めたときの脚と貫が連続する様子からは構造美を感じられるでしょう。

普段はサイドテーブルとしてそのまま利用し、必要に応じて一つ手にとって近くに寄せる。見た目通りとても軽いので、女性でも片手で軽々持てるだろう。これなら来客時に大きなソファテーブルがなくとも、各々にサイドテーブルがあるから安心。また、ゆとりが出来たソファ前のスペースでは、柔らかなラグの上に横になったり、お風呂上がりのストレッチをしたりするのもいい。つまり、限られたリビングスペースを有効活用できることが最大の特徴。もしくは分割して別の部屋で使っても構わない。コンパクトだが意匠、機能をしっかり考慮された素晴らしいネストテーブル。

次世代へ接続可能な家具として蘇らせました。
フルサンディング(研磨）によって劣化した塗装シミ、傷、汚れを除去し、その後、耐水、耐退色効果のある特殊な素材を浸透・硬化させ、トップコンディションの状態である「ハイク・クオリティ」まで仕上げを施しました。ご購入後、木部のアフターケアもご対応します。

コメント :　中島