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真鍮を用いた作品を作り続けたカール・オーボック(1900〜1957)。

両親の営む金属工房で14歳から伝統的な銅工芸を習得した後、ウィーンの芸術アカデミーやワイマールのバウハウスで主に絵画を学び、1926年に工房を譲り受ける。柔らかな輝きを放つ真鍮でプリミティブな造形を生み出し、手や足、チェーンやクリップといった身近なモチーフが表現された作品は、40年代に入ると独自のスタイルへと昇華され次第に資産家宅の装飾に彼の作品が選ばれるようになっていく。

1954年にはミラノトリエンナーレで4つのゴールドメダルを受賞。オーストリアのモダニズムにおいて非常に大きな功績を残し、同国内で最も著名な芸術家の一人と称されている。晩年には彼の息子(カール3世)と共に作品制作をスタート。カール3世はアメリカで建築を学び、チャールズ&レイ・イームズやジョージ・ネルソンなどデザイン業界の偉人とも親交を深めるなど工業製品にも興味を持っていた。

1957年に惜しまれつつカール・オーボックは亡くなってしまうが、カール3世はグローバルな経験を活かして世界に自らの作品を広めていくと、世界的な評価も次第に高まっていった。例えば、ティファニー、ニューヨークのサックスフィフスアベニューやブルーミングデール、ダラスのニーマン・マーカス、クリストフルパリ、ロンドンのハロッズなど、あらゆる主要都市のトップブランドに作品が提供されている。現在カール・オーボックの工房は子供(カール4世)へと大切に受け継がれ、いまだ彼の残した作品は現代のカール・オーボックコレクションの中核を担っている。

真鍮は加工性がよく腐食しにくい特性があるが、時が経てば黒く変化してくる。傍に置いておく時間が長いほど、風合いの変化を楽しる様子に私たちは魅了されてしまうことでしょう。ピカピカの状態を保ちたい方は真鍮に対応したクリーナーでお手入れするといい。職人による手作りの為、個体差や表面の傷などもハンドメイドならではの特徴ですから、手にするものがどんな表情をしているか巡り合わせを楽しむこともできる。

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記者:中島


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JOURNAL ON 18TH MAR 2018

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