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JOURNAL / OUR NEIGHBORHOOD / 104GALERIE



今回のOUR NEIGHBORHOODはハイクより徒歩5分、独自の審美眼によって国内外のアーティストの展示会を行う「104GALERIE」。マネージャーの土屋 美葉さんにお話を伺いました。

谷山:
ギャラリーの始まりについて教えて下さい。
土屋:
セットデザイナーでオーナーのENZOがクリエイター作品を展示し発信する場所として2013年にオープンしました。展示スペースは、こちらと近くにアトリエとして使用していたガレージ「104GALERIE-R」の2箇所で展開しています。
谷山:
名前の由来は?
土屋:
名前はとてもシンプルで、ギャラリーがあるビルの部屋番号"104"から取りました。
谷山:
展示するアーティストや作品について教えて下さい。
土屋:
世界基準のアートマーケットを意識しながら、国内外問わず現代アーティスト作品をメインに展示をしています。 近年は絵画や写真の展示がメインですが、過去には演劇やライブ、ダンスパフォーマンスなどをした事もあります。固定概念にとらわれずクリエイティブで面白い内容を発信できるギャラリーとして、またアーティストと共に成長していける場所でありたいと思っています。
(展示されるアーティスト、作品はどの様にして探すのですか。)
アートサイトの”Artsy”やアーティスト間での紹介のほか、今は作品をSNSで発信するアーティストも多い為、インスタグラムは常にチェックします。気になるアーティストがいればコンタクトし、実際にアトリエにお邪魔してオファーします。ヨーロッパのアーティストはアジアのマーケット、展示に興味がある方が多い印象です。
谷山:
どういったお客様が展示を観に来られますか。
土屋:
美大生やアートコレクターの方、ギャラリー巡りが好きな方、年齢や性別は様々です。私達が作品を探すのと同じ様に、近年はインスタグラムなどのSNSで展示を知って観に来ていただける方もとても増えました。SNSの普及でよりアートが身近なモノになって来ているのは嬉しい事です。
谷山:
土屋さんのアート作品の観方(楽しみ方)があれば教えて下さい。
土屋:
アート作品を観ている時は、様々な思考が生まれ自分と向き合っている様な感覚になります。言葉で説明するのは難しいですが、技法であったりアーティストの意思や背景も含めて、自身に響くものであるかどうかを判断して作品を観ています。
(好きなアーティストは?)
今回展示しているルディ・クレモニーニはもちろん、前回展示したイタリア出身のアーティストロバート・ボシシオが好きですね。少し暗めの印象の絵画が好みかもしれません。
(アートに興味を持たれたきっかけとなったアーティストは?)
美術館で見たスイスの画家、パウル・クレーの色彩の美しい作品からアートに興味を持つ様になりました。
谷山:
1番満たされる瞬間はどういう時ですか。
土屋:
1番は、お客様が作品を持ち帰る決断をされる瞬間です。作品は金額的にも安いものでもないですし、ここで展示しているアーティストは美術館で飾られている作品の様に知名度があるものも少ない中でご自身の感覚を信じて購入するという行為は特別な事だなぁと毎回思います。先日ある女性のお客様が1つの作品をとても気に入られた様子で、毎日作品を観に来られていました。そして、7日目には花束を片手に「日本でこのアーティストを紹介してくれて、作品に出会わせていただいてありがとう」と、その作品の購入を決めていただいた事がありました。その時がとても嬉しく最高に満たされた瞬間でした。
谷山:
最後に3月17日まで開催されているルディ・クレモニーニの見所を教えていただけますでしょうか。
土屋:
分厚い絵の具で描かれた曖昧な形態と特徴的な筆跡...ルディ・クレモニーニの作品に描かれたイメージは一見ありふれた日常的な場面ですが、その根本的主題となるのは、良心と本心の感情の往来、犠牲を払う事によって起こり得る喜び、安全が保障される代わりに奪われる自由など生きる上での矛盾や葛藤です。作品には極めて個人的な空虚感や孤独を示唆する比喩的要素が含まれています。本展では、2013年以降の作品から最新作まで、大小作品合わせて約20点ほどのペインティングを包括的に展覧、また2018年カゼルタ宮殿にて行われた大型個展に合わせGli Oriより出版された作品集も数量限定で販売いたします。

国内初展示となる海外アーティストから国内で活躍するアーティストまで、独自の視点でセレクトされた作品をスペーステイストの異なる2つの空間を活かした展示構成が104GALERIEの魅力。展示作品、お話を伺って今まで観たことのないような新しい感性や個性を発見できたのはもちろん、アーティストと共に作品を発信し価値を高めていくギャラリーの存在意義を改めて感じる事が出来た。僕もいつかの日かこれだと思える作品に出会いたく、足繁く通うことになりそうだ。



104GALERIE
WEBSITE
〒153-0042 東京都目黒区青葉台3-22-1 目黒ハイツ104
Tel 03 6303 0956
営業時間や展示内容などはWEBSITEをご確認下さい。


記事:谷山
写真:須摩

OUR NEIGHBORHOOD

JOURNAL ON 4TH MARCH 2019

INTERVIEW WITH 104GALERIE MANAGER
MIYO TSUCHIYA

104GALERIE WEB SITE