HIKE

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1950-70年代の北欧デザインを中心に独特の視点でセレクトされた器やオブジェを扱うお店エレファント。表参道を1本入った落ち着いた裏通りにある店舗にてオーナーの吉田さんに今回のエリック・ホグラン展についてお話を伺う。本題に入る前に少しだけプライベートのお話も。

谷山:
まずは、お店を始めるキッカケを教えて下さい。
吉田 :
前職のグラフィックの仕事をしていた時、ある雑誌に当時はまだ珍しかったマリメッコの本が置いてあるお 店が掲載されていて、その置いてあったお店というのがオープンしたてのHIKEだったんだ。2000年頃かな。当時は北欧家具にそんなに興味がなく、家具を見に行った訳では無かったのに入った瞬間、ディスプレイされた家具、空間になんだこの世界観と衝撃を受けた。その時直感で「絶対ここで働きたい」と。仕事を辞め履歴書片手にお店に行ったんだけど「今は募集していない」と断られてしまった。それでも、入れると思って何回も通って、かれこれ半年ぐらい経った時に「あれ!?これは入れないんじゃないかと思い始めて(笑)」。だったら自分で出来る事から始めようと思って北欧の器に行き着いた。それが、お店を始めるキッカケ。だからHIKEに入れていたら今のお店はやってないだろうね。お店を始めるにあたってHIKEにも「これからお店をやります」と報告にも行った。その後もアドバイスをもら ったり商品を置かせてもらったり良いお付き合いをさせてもらっている。
吉田:
そうだ、見せたいものがある

吉田さんがカウンター裏から持ってきてくれたのが1枚の紙。社長が2008年の店舗オープンの際に吉田さんに送ったファックスだった。

吉田:
「これが送られてきた時めちゃくちゃ嬉しかったのを今でも覚えているよ。今も壁に飾って大切に保管してる。 

(それにしても、殴り書きの字、裏写りしている紙なんとも社長らしい、、、)

谷山:
次に吉田さんのプライベートについて伺います。お休みの日はどう過ごされてますか。
吉田:
近所であてもなくのんびり散歩するのが好き、僕の住んでる地域には古くからある雰囲気の良い喫茶店が多くてそこでゆるく過ごす事が多い。
谷山:
ご自宅ではどんな家具を使ってますか。
吉田:
色々あるんだけど現代のデザイナーのジャスパーモリソンとかコンスタンチングルチッチの家具を使ってる。ビンテージだとアアルトのスツールやシェルフかな。お店の什器もアアルトのものが多い。床材もアアルトのテーブル天板の素材で使われている"リノリウム”。壁の幅木もアアルト邸を参考にした。
谷山:
ご自宅、お店にも色々なモノをお持ちかと思いますが、「これはヤバイ」というもの教えて下さい。
吉田:
ここにあるよ。お店の木箱の中から出してくれたのはエリックホグランのガラス花器。中央の背の高いガラスが両手に小さなガラスを抱えた何とも美しい作品。これは、1955年のエリック・ホグラン初期作品、特別に製作されたものでマーケットに出ることがない希少なモノ。
吉田:
何年後かにこうゆう作品を集めた展示会が出来ればと思っているんだ。
谷山:
最後に17日から開催される「エリック・ホグラン展」にちなんで、吉田さんにとってホグランの最大の魅力と今回の目玉を教えて下さい。
吉田:
1番の魅力はボテっとしたガラスでプレミティブなモチーフを使っているにもかかわらず野暮ったさがなく北欧らしさやモダンさを取り入れている所。プレミティブなモチーフって少し怖かったり、おどろおどろしい感じになりがちなんだけどそれがないのがすごい。真似してできるようなものではなくこの領域はホグランにしか表現 できないと思う。当時は、北欧の中では異端児として扱われていたけど、自身の作りたい作品を真面目に作って きた結果がこうして形になっている所も彼の魅力。
今回の目玉はやっぱりシャンデリアかな。金のシャンデリアやブラック、定番のブルーなどどれも美しいもの ばかり見比べるのも楽しいはず。

会期中は常設展示に変わりエリック・ホグランのクリスタルガラス、気泡入りのガラス器、色とりどりの灰皿シャンデリア、キャンドルスタンド、鉄を用いた作品など200余点を展示販売する。エリック・ホグランのスペシャリストとして見応えあるエキシビジョンになりそうだ。



記者:谷山(ジャーナル担当)

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2016.09.22-10.06

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