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JOURNAL / OUR NEIGHBORHOOD / MATILDA



「ハイクさんのお花はいつも綺麗ですね」とお客様に言っていただく事がよくある。 その美しい花はハイクから徒歩5分の場所にあるフラワーショップ「Matilda」さんによるもの。 今回のOUR NEIGHBORHOODでは「Matilda」さんのスタッフ・中村仁美さんにお話を伺いました。

谷山:
お店のはじまりを教えて下さい。
中村:
フラワーアーティストでオーナーの角浩之(かど ひろゆき)が、20年前に代官山でお花の販売、ショーウィンドウの飾り付けをするお店を始めました。 当時はフラワーギフトが一般的になりつつあった時代。お花のセレクトや見せ方が一風変わったお店として知られる様になりました。 その後、何度か場所を変え13年前に現在のこの場所へ。私は角と前職の同期という繋がりでこの場所に移転する少し前から参加しています。
谷山:
店名の由来を教えて下さい。
中村:
映画「LEON」に登場する少女マチルダから取ったと聞いています。劇中のマチルダは可愛さを持ちながら大胆で強い、バラにもマチルダという品種がありますが、少女のイメージ像とお花がリンクする所もあり、また単語の響きが良かったのも決め手だったと聞いています。
谷山:
どのようなお客様がいらっしゃいますか。
中村:
ご近所のお客様が多いですが、駅から遠いこの場所までわざわざ足を運んでくれる方も多いです。ハイクさんの様にショップディスプレイとして購入される方から、ご自宅用、ご家族、ご友人のギフトなど様々です。最近ではお花を生活の一部に取り入れたいという男性のお客様も多いです。仕事帰りにふらっと立ち寄っていただき、ご自身でお好きな花を選んでいかれますよ。
谷山:
取り扱われているお花やディスプレイについて教えてください。
中村:
セレクトは角が全て行なっています。ショップのコンセプトでもある「インパクト & インスピレーション」刺激や衝撃から来る喜びや感動を感じていただけるお花を、鮮度や産地、生産者にまでこだわり厳選しています。ショップは花を飾る器だと思っており、今日一番見せたいお花をベースに、色、大きさ、形に配慮しながらバランス良く配置しています。同時に可愛らしく甘くなり過ぎないように大人っぽく魅せることも意識しています。また沢山の品種のお花がありますから特徴や性格を把握しながら、その日の表情を見てどういう風にしてあげるのが1番良いか、常に気に掛けながらディスプレイしています。お花は生き物なので温度や水にも非常に気を使います。
谷山:
ディスプレイやアレンジメントに必要な色彩、バランス感覚を得るために普段意識されていることはありますか。
中村:
お花と触れる時は、お花の形状や色の変化を敏感に感じ取れるように観察する事を意識しています。アレンジメントでいうとお料理と共通する部分が多く、自身で料理をする時や、外での食事をする時にどこで誰が育てた野菜だとか、食材の組み合わせ、盛付け方、器に自然と意識がいきます。瞬時に人を感動させる事が出来、最後は無くなってしまうものという点で、お花のアレンジメントとお料理は良く似ていると思います。
谷山:
大切な仕事道具は。
中村:
大切な仕事道具はやはりはさみですね。切り方や切れ味によって花の生命力に大きな影響を与えるはさみは無くてはならないもの。私は握りが良く重すぎず、軽すぎない奈良県の 職人さんが作ったものを長年愛用しています。スタッフそれぞれが自身の手に馴染むものを使っておりハサミには個性が出ます。
谷山:
どんな時が満たされますか。
中村:
漠然としているのですが、1つの仕事が自己満足で終わらなかった時ですね。例えば、店頭にお客様ご希望のお花が無かった際、ご要望を汲み取って別のお花をご提案し、 喜んでいただけた時にやりがいや幸福感に満たされます。お花というのは大切な人や特別な日に使用される事が多い為、お花が動くときは心が動くときだと考えています。 その想いを持ってお店に来られた方に少しでも喜んでいただければ嬉しいです。
谷山:
ご自宅ではどういった家具をお使いですか。
中村:
基本的には古い家具が好きで、自宅ではイギリスのアンテーク家具を多く使っています。 ここ最近は、日本の民芸家具にとても興味があって骨董市などにもよく行きます。

お店は花を飾る器という言葉通りコンクリート打ちっ放しの店内には、インパクトある色鮮やかな花々がバランス良くデイスプレイされ、お花本来の持つ色や形、表情をより鮮明に感じ取る事が出来る。市場に出向き、鮮度、産地、生産者にまでこだわり厳選された花々はどれも瑞々しい。普段目にすることがない品種も多く、体を寄せる雌しべの佇まいに驚愕したり、放つ香りにうっとりしたりと、店内を見て回るだけでも新たな発見だらけ。お花以外にもベルギーのDOMANI社の花器、オリジナルガラス花器なども多く取り揃えている。知識豊富なスタッフから旬のお花について、アレンジメントのアドバイスを受ければお花選びがさらに楽しくなりそうだ。空間を彩り、気持ちにゆとりを与えてくれるお花。慌ただしく過ぎる日々の暮らしにこそ取り入れたい。男性のお客様が多いと聞いて驚きつつ、僕も花のある生活をしてみようと刺激をいただいた。

マチルダさんは中目黒店の他、新宿伊勢丹にもお店がありフラワーレッスンも定期的に開催している。詳しくはWEBSITEをご覧ください。




記事:谷山
写真:中島

OUR NEIGHBORHOOD

JOURNAL ON 5TH AUGUST 2018

INTERVIEW WITH MATILDA STAFF
HITOMI NAKAMURA

MATILDA WEB SITE