スウェーデンのデザイナー、スティグ・リンドベリ(Stig Lindberg, 1916〜1982)によるオーバルプレート。製造はスウェーデンを代表する陶磁器メーカーのグスタフスベリ(Gustavberg)社。
スティグ・リンドベリは20世紀スウェーデンの最重要デザイナーとも言える存在で、陶磁器やガラス器のほか、テキスタイルや工業製品のデザイン、絵画、イラストレーション、グラフィックデザインにも長けた才人だった。大学で絵画を学んだ後、1937年にグスタフスベリに入社し、可愛らしい模様が目を引く量産ラインや、渋く繊細な色合いのスタジオピース、白や黒の単色の釉薬を用いたモダンなフォルムのシリーズなど、実に多彩な作品を残した。葉っぱ柄がキュートなBersaシリーズが特に有名だが、それだけではくくれない作風を持つ面白い人物だ。
こちらのプレートは1940〜50年代に制作されたファイアンス焼きのスタジオピース。リンドベリが描いた下絵をもとに、専任の絵付師が1つ1つ手作業で絵付けしたもの。量産ラインとは異なり、同じものが2つとない一点ものの作品だ。ファイアンス焼きは赤や黄色の陶土にスズ釉を施した陶器のことで、不透明で白く光沢があり、クリームを思わせる質感が特徴。その上に絵付けを施すと、ジェッソを引いたカンヴァスのように色彩が輝き出す。
プレートのサイズはやや大ぶりで、しっかりと厚みもある。側面のゆったりとした曲線が実におおらかだ。見込みにはリンドベリが得意とした葉っぱのモチーフが幅いっぱい、何とも気持ちよさそうに横たわる。葉っぱは1枚1枚質感が異なり、絵付けでここまで豊かな表現ができるのが驚きだ。口縁では赤い素地が顔を覗かせ、釉薬のないざらっとした質感が器の輪郭をますますまろやかにする。裏面には手作業の証である手のひらのマークとサイン。さっと書かれたものだろうが、筆の運びが清々しく、こんなところでも目を楽しませてくれる。
こちらは現在では生産されていないヴィンテージ品。目立った割れや欠けはなくコンディションは良好ですが、ご不安な方は現物確認後のご購入をお願いいたします。
コメント : 大塚
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スウェーデンのデザイナー、スティグ・リンドベリ(Stig Lindberg, 1916〜1982)によるオーバルプレート。製造はスウェーデンを代表する陶磁器メーカーのグスタフスベリ(Gustavberg)社。
スティグ・リンドベリは20世紀スウェーデンの最重要デザイナーとも言える存在で、陶磁器やガラス器のほか、テキスタイルや工業製品のデザイン、絵画、イラストレーション、グラフィックデザインにも長けた才人だった。大学で絵画を学んだ後、1937年にグスタフスベリに入社し、可愛らしい模様が目を引く量産ラインや、渋く繊細な色合いのスタジオピース、白や黒の単色の釉薬を用いたモダンなフォルムのシリーズなど、実に多彩な作品を残した。葉っぱ柄がキュートなBersaシリーズが特に有名だが、それだけではくくれない作風を持つ面白い人物だ。
こちらのプレートは1940〜50年代に制作されたファイアンス焼きのスタジオピース。リンドベリが描いた下絵をもとに、専任の絵付師が1つ1つ手作業で絵付けしたもの。量産ラインとは異なり、同じものが2つとない一点ものの作品だ。ファイアンス焼きは赤や黄色の陶土にスズ釉を施した陶器のことで、不透明で白く光沢があり、クリームを思わせる質感が特徴。その上に絵付けを施すと、ジェッソを引いたカンヴァスのように色彩が輝き出す。
プレートのサイズはやや大ぶりで、しっかりと厚みもある。側面のゆったりとした曲線が実におおらかだ。見込みにはリンドベリが得意とした葉っぱのモチーフが幅いっぱい、何とも気持ちよさそうに横たわる。葉っぱは1枚1枚質感が異なり、絵付けでここまで豊かな表現ができるのが驚きだ。口縁では赤い素地が顔を覗かせ、釉薬のないざらっとした質感が器の輪郭をますますまろやかにする。裏面には手作業の証である手のひらのマークとサイン。さっと書かれたものだろうが、筆の運びが清々しく、こんなところでも目を楽しませてくれる。
こちらは現在では生産されていないヴィンテージ品。目立った割れや欠けはなくコンディションは良好ですが、ご不安な方は現物確認後のご購入をお願いいたします。
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