こちらの商品はヴィンテージ品ではなく、現行品となります。
Onecollection(ワンコレクション)による、Finn Julh(フィン・ユール)の名作「チーフテンチェア」。直訳すると「酋長のための椅子」という意味となり、その名に違わぬ圧倒的な存在感を写真からも感じていることだろう。また、太古エジプトで玉座に使われていた椅子と構造や特徴に共通点が見られることからエジプトチェアと呼ぶものいる。そして、1949年コペンハーゲン家具職人ギルド展でフレデリック国王の目に留まった1脚として脚光を浴びることとなる。
フィン・ユールの作品はユニークなデザイン故に製造が大変難しく唯一無二の至高の存在として、ニールス・ヴォッダー、ソーレン・ホーン、ニールス・ロス・アナセン、そしてワンコレクション(Hansen & Sorensen)と脈々と受け継がれてきた。ワンコレクションは、1990年にHansen & Sorensen(2007年にOnecollectionに改名)として創業。1998年にフィン・ユール夫人の依頼で、最初の復刻となるNo.57を手がけて夫人の信頼を得ると、以後フィン・ユールの作品は全てワンコレクションから製造出来る唯一のメーカーに。現代ではチーフテンチェアやNo.45を含むフィン・ユールの作品ほぼ全てのライセンスを保有し、その高い技術力によって極めて美麗な曲線を有する家具を世界に届けている。
フィン・ユールは北欧ミッドセンチュリー期に活躍したデンマークを代表する家具デザイナーのひとり。錚々たる著名なデザイナーを輩出した時代を生きながら、「家具の彫刻家」と称される彼の独創的なデザインは他に類を見ることができないものだ。その背景には彼が家具デザイナーではなく、建築家であったことが挙げられる。当時の家具デザイナーはマイスター(家具職人)の資格を有することが大前提。だからこそ、木材や構造をよく理解し、職人らとも対等にコミュニケーションがとれ、美しい造形を表現しつつも耐久性の優れた家具が多く生まれたのだろう。
一方、フィン・ユールは当時活躍をしていた建築家・ヴィルヘルム・ラウリッツェンの事務所に11年間在籍。今まで大きなスケールの建造物に注がれていた美意識が、小さなスケールの家具となったことで彼の拘りが濃縮されたかたちとなった。また、職人でないというネガティブな要素を、既成概念に捕らわれないストイックな構造を考えつくポジティブな思考の持ち主であったことも大きい。そして、スネーカーマスター(技を極めた家具職人に与えられる最高位)であるニールス・ヴォッダーの存在なくしてフィン・ユールは語れない。フィン・ユールの自由な発想とニールス・ヴォッダーの優れた技術力の融合があってこそ歴史的な名作が誕生した。
それではチーフテンチェアをよく見てみよう。外枠の木フレームは直線的で的確に貫が配されており堅実な構造をしている。特筆すべきは緩やかな曲線を描く背もたれの木部。単調な曲線でなく、前後左右に3次的な動きがある。また、外枠と比べて細く繊細で、太さは一定でない。後脚とは背もたれ上部で連結するが、まるで別々の木材が合わさったのではなく単一の木材を削り出したかの如く滑らかで自然である。その先端は耳と呼ばれるアイコニックな造形があるのもチーフテンの特徴。
そして、大きなレザーシートも秀逸だ。肘掛けも含めてここにも一切の直線は存在しない。風になびく布の様に優美なフォルムをしている。ここは座り心地とも直結する部分となるが、人の体も同様に直線は存在せず、つまり体とのフィット感が素晴らしいことを表している。後方へ深く傾斜したシートは意識せずとも体を背もたれに導いてくれ、肩までサポートしてくれるハイバックが力を開放して寛ぐことを寛容に許してくれる。
ひとたびリビングにレイアウトすれば、その意匠性の高さからよきアクセントになることは間違いない。空間の象徴的な存在となってくれることだろう。3人掛けソファとのコーディネートはもちろんのこと、異なるイージーチェアを集合させても面白い。木材の価値が年々高まる中、家具(道具)の位置づけを超越したとも言えるチーフテンチェアは長きに渡り人々に愛され続け、これぞまさに家具が表現するサスティナブルのひとつの答えだと私は思う。
樹種とレザーをお選びいただけます。組合せによって価格が異なります。
樹種 ウォルナット材、チーク材
掲載画像品はウォルナット材、ナチュラルレザー(Vegital)です。
現在は展示品のご用意はございません。予めご了承ください。
ご使用後、木部のリフレッシュ、レザー、ウレタンフォーム交換など「ハイク・クオリティ」に準じたご対応させていただきますので、ご安心ください。
コメント : 中島
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こちらの商品はヴィンテージ品ではなく、現行品となります。
Onecollection(ワンコレクション)による、Finn Julh(フィン・ユール)の名作「チーフテンチェア」。直訳すると「酋長のための椅子」という意味となり、その名に違わぬ圧倒的な存在感を写真からも感じていることだろう。また、太古エジプトで玉座に使われていた椅子と構造や特徴に共通点が見られることからエジプトチェアと呼ぶものいる。そして、1949年コペンハーゲン家具職人ギルド展でフレデリック国王の目に留まった1脚として脚光を浴びることとなる。
フィン・ユールの作品はユニークなデザイン故に製造が大変難しく唯一無二の至高の存在として、ニールス・ヴォッダー、ソーレン・ホーン、ニールス・ロス・アナセン、そしてワンコレクション(Hansen & Sorensen)と脈々と受け継がれてきた。ワンコレクションは、1990年にHansen & Sorensen(2007年にOnecollectionに改名)として創業。1998年にフィン・ユール夫人の依頼で、最初の復刻となるNo.57を手がけて夫人の信頼を得ると、以後フィン・ユールの作品は全てワンコレクションから製造出来る唯一のメーカーに。現代ではチーフテンチェアやNo.45を含むフィン・ユールの作品ほぼ全てのライセンスを保有し、その高い技術力によって極めて美麗な曲線を有する家具を世界に届けている。
フィン・ユールは北欧ミッドセンチュリー期に活躍したデンマークを代表する家具デザイナーのひとり。錚々たる著名なデザイナーを輩出した時代を生きながら、「家具の彫刻家」と称される彼の独創的なデザインは他に類を見ることができないものだ。その背景には彼が家具デザイナーではなく、建築家であったことが挙げられる。当時の家具デザイナーはマイスター(家具職人)の資格を有することが大前提。だからこそ、木材や構造をよく理解し、職人らとも対等にコミュニケーションがとれ、美しい造形を表現しつつも耐久性の優れた家具が多く生まれたのだろう。
一方、フィン・ユールは当時活躍をしていた建築家・ヴィルヘルム・ラウリッツェンの事務所に11年間在籍。今まで大きなスケールの建造物に注がれていた美意識が、小さなスケールの家具となったことで彼の拘りが濃縮されたかたちとなった。また、職人でないというネガティブな要素を、既成概念に捕らわれないストイックな構造を考えつくポジティブな思考の持ち主であったことも大きい。そして、スネーカーマスター(技を極めた家具職人に与えられる最高位)であるニールス・ヴォッダーの存在なくしてフィン・ユールは語れない。フィン・ユールの自由な発想とニールス・ヴォッダーの優れた技術力の融合があってこそ歴史的な名作が誕生した。
それではチーフテンチェアをよく見てみよう。外枠の木フレームは直線的で的確に貫が配されており堅実な構造をしている。特筆すべきは緩やかな曲線を描く背もたれの木部。単調な曲線でなく、前後左右に3次的な動きがある。また、外枠と比べて細く繊細で、太さは一定でない。後脚とは背もたれ上部で連結するが、まるで別々の木材が合わさったのではなく単一の木材を削り出したかの如く滑らかで自然である。その先端は耳と呼ばれるアイコニックな造形があるのもチーフテンの特徴。
そして、大きなレザーシートも秀逸だ。肘掛けも含めてここにも一切の直線は存在しない。風になびく布の様に優美なフォルムをしている。ここは座り心地とも直結する部分となるが、人の体も同様に直線は存在せず、つまり体とのフィット感が素晴らしいことを表している。後方へ深く傾斜したシートは意識せずとも体を背もたれに導いてくれ、肩までサポートしてくれるハイバックが力を開放して寛ぐことを寛容に許してくれる。
ひとたびリビングにレイアウトすれば、その意匠性の高さからよきアクセントになることは間違いない。空間の象徴的な存在となってくれることだろう。3人掛けソファとのコーディネートはもちろんのこと、異なるイージーチェアを集合させても面白い。木材の価値が年々高まる中、家具(道具)の位置づけを超越したとも言えるチーフテンチェアは長きに渡り人々に愛され続け、これぞまさに家具が表現するサスティナブルのひとつの答えだと私は思う。
樹種とレザーをお選びいただけます。組合せによって価格が異なります。
樹種 ウォルナット材、チーク材
掲載画像品はウォルナット材、ナチュラルレザー(Vegital)です。
現在は展示品のご用意はございません。予めご了承ください。
ご使用後、木部のリフレッシュ、レザー、ウレタンフォーム交換など「ハイク・クオリティ」に準じたご対応させていただきますので、ご安心ください。
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