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JOURNAL / FROM HIKE / MAGNIBERGについて



"私達がやりたいのは、家の中に感情を持ち込むこと"

スウェーデン、ストックホルムをベースとするデザインブランドMgnibergは、服で自分を表現するのと同じ様に、もっとパーソナルな表現としてのインテリアを提案している。ポプリン、ジャージー、リネン、レースなどのあらゆる素材のベッドリネンが一つのベッドにコーディネートされ、その横にはカラフルなパイン材の家具とグラフィック的なメタルの家具が並ぶ。その幅広いラインナップから彼らの提案するインテリアがより自由なものであることが伺える。

MagnibergはBengt Thornefors(ベント・ソーンフォルス)とNina Norgen(ニナ・ノルゲン)が2016年に設立。BengtはファッションデザイナーとしてAcne studiosやSaint Laurentで、Ninaはフローリストとグラフィックデザイナーとしてキャリアを積んだ後、彼らの美学やイメージを表現する方法としてベッドリネンと家具を選んだ。

「ベッドルームをもっと違った文脈で捉えたかったんだ。ベッドルームは単なる寝る場所だろうか?と考えると、本を読み、映画を観、仕事し、食事をし、会話し、物思いにふけり、愛し合う、といろんな時間を過ごしていることに気づく。テキスタイルそのもののクオリティとベッドで過ごす時間、生まれる感情の美しさを表現するようなベッドリネンを提供するのは理にかなっていると思ったんだ」

ブランド名のMagnibergはストックホルムの南に位置するテキスタイルと家具の製造を中心とした街Nyköpingにある、築250年の代々退職した職人とその家族が住むために使用されていた建物の名前からとっている。現在はそこにBengtとNinaが2人の子どもたちと共に暮らしており、そこから車で20分のほどのところにマグニバーグの家具の制作をするOH Eriksson & Söner社もオフィスを構えている。デザイナーとしてパリ、L.A.,ベルリン、ストックホルムといった大都市での刺激的な生活の後に、新しいプラットフォーム、別のタイプのメディア、新しい視点を求めていた2人は大都市から離れ新しい刺激をこの小さな街で得ている。

「駅までの散歩や庭での植物の栽培、Nyköpingの図書館や、スチール製の家具を作るきっかけとなった子供たちが集まる古い体育館などを訪れることで、インスピレーションを得ているよ。」とBengt。

Bengtが育った郊外の街HögdalenもMagnibergのクリエーションに大きな影響を与えているらしい。Högdalenは40年代にスタートしたArbete, Bostad, Centrum(労働、住宅、センター)の頭文字をとった「ABC city」と言われる計画都市の一つで、限られた範囲内で生活、仕事、用事を済ませることができるというコンセプトの機能的で工業的な都市。その純粋な機能と素材が重視された都市の持つ独特の美しさも表現したいという。

他にもRei Kawakubo, Bettina Rheims, Tracy Emin, Wolfgang Tillmans, Sven Markelius, Robert Mapplethorpe やBrice Mardenなどのアーティストたちとともにもっとも重要なインスピレーションとしてKarinとCarl Larssonを挙げる二人。19世紀のアーティスト夫婦は彼らの家や生活を水彩で描いた本で有名で、カラフルで温かみのあるそれまでのスウェーデンのインテリアスタイルとは少し違った生き生きとした雰囲気を見ることができる。

過去と現在、大都市と田舎、スウェーデンのフォークロアや現代のアーティストたち、一見するとバラバラに見えるが、彼らは共通したエネルギーやフィーリング、そして脈拍を感じ取っている。Magnibergの表現するコントラスト豊かでパワフルな世界観と、最高の素材とクラフトマンシップをぜひ体感してみてほしい。


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FROM HIKE

JOURNAL on 4th June 2022

MAGNIBERGについて