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デンマークPPモブラー社によるダイニングチェアPP68。デザインはご存知ハンス・ウェグナーによるものだが、同社創業者のアンナー・ピーターセンの存在なしでは語れない。1987年発表と比較的新しい椅子だが、その歴史は古い。このチェアは1969年にPPモブラーのためにウェグナーが初めてデザインしたチェアPP203を発表した際に、プランとしては既にPP68の存在があったとされている。その後もウェグナーとピーターセンはデザインの改良を進め、この椅子の製造を始めたのである。互いに技術と経験を育みながら、試作を積重ねられた椅子は、ウェグナーとPPモブラーの集大成とも言うべき一脚。

それでは長きにわたり温められたこだわりを紐解いていこう。特徴的なのは背中を支える笠木。後ろ脚2本のみで連結しているにもかかわらず、肘掛けの機能まで持ち合わせている。木を知りぬき、さらに高い技術がなければ成しえない構造。また“C”の字に湾曲した笠木を形作る際、従来は複数の部材を契(ちぎり)を用いて剥ぎ合わせていたが、PP68では1本の太い無垢材を蒸気熱により曲げるている。これで生産効率の向上と材料節約に成功し、座り心地には直結しないが資源を大切にする配慮が現れている。

腰かけてみるとペーパーコードが僅かにしなり優しく受け止めてくれる。そして背中を笠木に預けると、驚き!の一言。腰かける深さを変えても背中には滑らかな面しか当たらない。浅く腰かけたときは笠木上部の傾斜がフィットし、笠木の下にお尻を入れるように奥まで腰かけてもピタッと体にフィットするのです。言葉は発さずともウェグナーとピーターセンが「どうだ!」と自信満々に体を通して語り掛けてくるよう。

アームは短く作られていますが、これにも理由が。まず、機能としては肘をちょこんと乗せておくにはちょうど良く、腕の先はテーブルでカトラリーを握っているわけですから必要十分な長さ。食事を終えてテーブルに収めた際、短いアームならテーブルから大きく出っ張ることがない。椅子全体の高さを抑えているのもこの為。するとテーブルからは笠木の上端だけが覗き、テーブルとセットで美しいダイニングの構成となるよう計算されている。もうここまでくるとため息もの。「さすがです」と心で呟いたのは言うまでもありません。皆さんもぜひこの椅子に見て触れて作者と語ってみては。

座面がレザー仕様のPP58もございます。(一番下の掲載画像)

お好きな素材、仕上げをお選びいただけます。組合せによって価格が異なります。
座面 : ナチュラルペーパーコード、ブラックペーパーコード、レザー(PP58)
仕上 : ソープ、オイル、ラッカー、ブラックラッカー
フレーム : オーク、アッシュ、ビーチ
組合せ価格に関してはお問合せ下さい。

尚、ご注文は偶数単位で承れます。1脚の場合、別途¥4,900+Taxの費用が掛かります。

掲載画像分は、オーク材、ソープ仕上げ、ナチュラルペーパーコードです。

現物をご確認されたいお客様は事前にご連絡を下さい。

ご購入後の木部の傷、汚れのリセット、ペーパーコード・レザーの貼り直しも行います。ご安心下さい。

Chair PP68
Import
W580 D470 H720 SH440
Hans J Wegner / PP Mobler / Denmark / 1987 / Oak wood
下記価格はオーク材、ソープ仕上げ、ナチュラルペーパーコードの場合
224,000円(税込246,400円)