JOURNAL / FROM HIKE / 北欧家具に見る希少種ローズウッドとは
北欧家具には、独自の魅力が詰まっています。 その魅力は、単なるデザインや美しさだけでなく、木材自体の質感や使われ方に深く関わっています。 デザイナーたちは、自然との調和を大切にし、シンプルで機能的なデザインを追求しました。このため、家具に使われる木材も自然の風合いを感じさせるものが選ばれました。北欧家具の木材選定においては、特にオーク、チーク、ローズウッドなどが多く見られます。ヴィンテージ家具となって私たちが目にする木材は経年変化によって深み、艶を増したその表情は一層豊かになります。 当時は潤沢にあった木材も現在では希少種として取り扱われる事がほとんどです。特にローズウッドに関しては、ワシントン条約というワードと共に希少性を耳にする事が多いのではないでしょうか。今回はそのローズウッドが使用される様になった背景から規制に至った経緯、現状、今後について探っていきたいと思います。
ローズウッドが家具の素材として使用され始めたのは、17世紀から18世紀にかけてのヨーロッパにおいてです。 当時、ヨーロッパでは、バロック様式やロココ様式などの装飾的な家具が流行しており、贅沢な材料を使った家具が王族や貴族の間で好まれました。ローズウッドの持つ品格ある色合いや美しい木目が、これらの豪華なデザインに最適だったのです。19世紀の産業革命では、ヨーロッパやアメリカを中心に機械生産によって木材の加工技術が飛躍的に進歩し、家具の大量生産が可能となりました。 その為、木材の選択肢も増え、ローズウッドを使用した家具の需要がさらに高まりました。北欧家具で使用され始めたのは20世紀、1950年代から1960年代にかけての頃です。有名デザイナー、名作家具が多数生まれた北欧デザインの黄金期と呼ばれる時代。シンプルで素材本来の美しさを引き出す事を重視した北欧デザインにとって色彩豊かで、存在感を放つローズウッドという素材は非常に重要な役割を果たしました。
1980年代以降、 家具の他、ギターやピアノなどの楽器、チェスやビリヤードなど趣向品に多く使用される様になりさらに需要は高まります。その為、違法伐採が過度に行われる事となり、生息地の破壊によってローズウッドは急速に絶滅の危機に瀕しました。特にブラジリアンローズウッドは、自然の分布域が狭く、伐採が進むとその生息域はどんどん狭まり、再生能力も限られていきました。それを受けて商業的な取引に規制がかけられるようになり、1992年にワシントン条約(CITES)に基づく保護が始まりました。ワシントン条約は、絶滅の恐れのある動植物の国際取引を規制する条約であり、2017年にはブラジリアンローズウッドをはじめとする多くのローズウッド種がこの条約の附属書に追加され、商業的な取引が制限されることとなりました。ローズウッドの家具を輸出入する為には許可が必要となります。※例外もあるがブラジリアンローズウッドは全般輸出入が禁止。 現在は、ローズウッドの保護と持続可能な利用を両立させるために、植林などまざまな取り組みが進められていますが成長にかかる年月は非常に長く、短期的な解決策にはなりにくいのが現状です。
時の流れとともに、かつて手に入れることができた木材が希少になり、現在ではその保護と持続可能な利用が求められる時代となりました。ローズウッドをはじめとする貴重な資源が規制され、商業的な取引が制限された背景には、自然環境の破壊や違法伐採といった問題が影響しています。これらの資源を大切に扱い、次世代へと受け継いでいくためには、私たち一人ひとりがその歴史を知り、責任を持つことが必要です。ヴィンテージ家具は、単なるインテリアではなく、職人たちの手仕事と自然への敬意が形となった貴重な遺産と考えれば、これからも環境に配慮し、持続可能な方法で大切に修理やメンテナンスを施しながら、次世代へと繋いでいくことが重要です。ローズウッドやその他の貴重な木材を理解し、その価値を守り続けることこそが私たちにとっての今後の使命と言えるでしょう。
JOURNAL ON 27th Mar 2025
北欧家具に見る希少種ローズウッドとは
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JOURNAL / FROM HIKE / 北欧家具に見る希少種ローズウッドとは
北欧家具には、独自の魅力が詰まっています。 その魅力は、単なるデザインや美しさだけでなく、木材自体の質感や使われ方に深く関わっています。 デザイナーたちは、自然との調和を大切にし、シンプルで機能的なデザインを追求しました。このため、家具に使われる木材も自然の風合いを感じさせるものが選ばれました。北欧家具の木材選定においては、特にオーク、チーク、ローズウッドなどが多く見られます。ヴィンテージ家具となって私たちが目にする木材は経年変化によって深み、艶を増したその表情は一層豊かになります。 当時は潤沢にあった木材も現在では希少種として取り扱われる事がほとんどです。特にローズウッドに関しては、ワシントン条約というワードと共に希少性を耳にする事が多いのではないでしょうか。今回はそのローズウッドが使用される様になった背景から規制に至った経緯、現状、今後について探っていきたいと思います。
ローズウッドが家具の素材として使用され始めたのは、17世紀から18世紀にかけてのヨーロッパにおいてです。 当時、ヨーロッパでは、バロック様式やロココ様式などの装飾的な家具が流行しており、贅沢な材料を使った家具が王族や貴族の間で好まれました。ローズウッドの持つ品格ある色合いや美しい木目が、これらの豪華なデザインに最適だったのです。19世紀の産業革命では、ヨーロッパやアメリカを中心に機械生産によって木材の加工技術が飛躍的に進歩し、家具の大量生産が可能となりました。 その為、木材の選択肢も増え、ローズウッドを使用した家具の需要がさらに高まりました。北欧家具で使用され始めたのは20世紀、1950年代から1960年代にかけての頃です。有名デザイナー、名作家具が多数生まれた北欧デザインの黄金期と呼ばれる時代。シンプルで素材本来の美しさを引き出す事を重視した北欧デザインにとって色彩豊かで、存在感を放つローズウッドという素材は非常に重要な役割を果たしました。
1980年代以降、 家具の他、ギターやピアノなどの楽器、チェスやビリヤードなど趣向品に多く使用される様になりさらに需要は高まります。その為、違法伐採が過度に行われる事となり、生息地の破壊によってローズウッドは急速に絶滅の危機に瀕しました。特にブラジリアンローズウッドは、自然の分布域が狭く、伐採が進むとその生息域はどんどん狭まり、再生能力も限られていきました。それを受けて商業的な取引に規制がかけられるようになり、1992年にワシントン条約(CITES)に基づく保護が始まりました。ワシントン条約は、絶滅の恐れのある動植物の国際取引を規制する条約であり、2017年にはブラジリアンローズウッドをはじめとする多くのローズウッド種がこの条約の附属書に追加され、商業的な取引が制限されることとなりました。ローズウッドの家具を輸出入する為には許可が必要となります。※例外もあるがブラジリアンローズウッドは全般輸出入が禁止。 現在は、ローズウッドの保護と持続可能な利用を両立させるために、植林などまざまな取り組みが進められていますが成長にかかる年月は非常に長く、短期的な解決策にはなりにくいのが現状です。
時の流れとともに、かつて手に入れることができた木材が希少になり、現在ではその保護と持続可能な利用が求められる時代となりました。ローズウッドをはじめとする貴重な資源が規制され、商業的な取引が制限された背景には、自然環境の破壊や違法伐採といった問題が影響しています。これらの資源を大切に扱い、次世代へと受け継いでいくためには、私たち一人ひとりがその歴史を知り、責任を持つことが必要です。ヴィンテージ家具は、単なるインテリアではなく、職人たちの手仕事と自然への敬意が形となった貴重な遺産と考えれば、これからも環境に配慮し、持続可能な方法で大切に修理やメンテナンスを施しながら、次世代へと繋いでいくことが重要です。ローズウッドやその他の貴重な木材を理解し、その価値を守り続けることこそが私たちにとっての今後の使命と言えるでしょう。