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JOURNAL / FROM HIKE / HOLMEGAARD IN DANISH DESIGN HISTORY



デンマークの伝統あるガラスメーカーHolmegaard(ホルムガード)のヴィンテージランプが届きました。ガラスという繊細な素材が孕む緊張感と、息を呑むほどに美しい造形。それらはスタイリングにおいて、空間の象徴となり得る存在です。創業からおよそ200年にわたる歩みを辿りながら、ランプに宿る潜在的な魅力に触れていきます。


1825年、伯爵夫人Henriette Danneskiold-Samsoe(ヘンリエッテ・ダンネスキョル=サムソー)によって、ホルムガード湿原(現ネストヴェズ市内)にある領地内の泥炭資源を活用する産業として設立され、当初は窓ガラスやボトルといった実用品を製造していました。つまり、社名は土地に由来しており、合併によって都市の名は変わってもルーツを大切にしている姿勢がうかがい知れます。また、この工場は2008年にその役割を終えましたが、地域の雇用を創出するなど、社会的な貢献を語り継ぐための博物館として今も愛されています。


19世紀後半になると装飾ガラスの制作にも着手し、次第に芸術性を帯びていきます。1906年には世界的に有名なデンマークの画家Vilhelm Hammershoi(ヴィルヘルム・ハンマースホイ)を兄にもつSvend Hammershoi(スヴェン・ハンマースホイ)と共に、ワイングラスをデザイン。 これは、Holmegaardがデザイナーと協業する最初の機会となります。1928年にはJacob E Bang(ヤコブ・バング)を自社のデザイナーとして起用し、機能主義のデザインを導入します。これは同時代の家具デザイナーkaare Klint(コーア・クリント)が提唱する合理性や機能性を大切にした考えと共鳴する部分があり、素材の特性を活かして、華美な装飾を抑えた明快な造形は、デンマークらしさがよく表れています。


のちに迎える1960〜70年代は特に象徴的な時代です。建築や家具など生活におけるデンマークデザインが成熟し、世界的な評価が高まり始める頃。当時、Holmegaardのアートディレクターを務めたのはMichael Bang(マイケル・バング)。彼はJacob E Bangの息子で、幼い頃からアートやデザインが身近な存在であったことでしょう。シンプルながら柔らかな曲線を用いたプリミティブな造形を基調とし、人々の生活に機能と美しさとをもたらしました。そして、戦争や世界的な経済変動を乗り越えてきたHolmegaardは、王室御用達の称号を得たことでデンマークのガラス文化を体現する存在へと昇り詰めていきます。デザインとクラフト、産業と芸術を架橋する姿勢は、デンマーク独自のモダニズムが確かに反映されているように思えます。



現在は様々なペンダントランプのバリエーションを体感し、ご購入いただける機会となります。詳細は下記よりご確認ください。

Pendant Lamp “Sonate”
Pendant Lamp “Mythos”
Pendant Lamp “Apoteker 260”
Pendant Lamp “Apoteker 350”
Pendant Lamp “Tivoli”



テキスト:中島

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JOURNAL ON 5th MAR 2026

HOLMEGAARD IN DANISH DESIGN HISTORY