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真上からVASEの中を覗き込めば、青い水が沸きでてくるよう。溢れた水は、細くくびれた首をつたい、中央の輪を縁取るように包み込み、薄光青に光るリングを作ります。そこからゆっくりとベースへ流れ落ちていきます。北欧の美しい青い海。有機的な美しいフォルムからなる、神秘的なコバルトブルーのグラデーションは、深青の海底へと導かれていくようです。

潤うガラスの表情と優美なフォルムは、木型に高温のガラス液を流し込み成型するという手法故の美しさではないでしょうか。型は高温で焦げてしまい、変形してしまいますが、画一化されず、其々の歪みを持ち合わせ、それも味わいになります。

シンプルで機能的な作品を多く残したカイフランク。造形的なフォルムからなる色の美しさを表現したKF245は、当時の職人技をも活かしたアートピースとも言えるでしょう。アラビア社の傘下であるヌータヤルヴィ社にて 1956年から1969年の間作られていました。底面サインから 1960年につくられたものとわかります。

そのままでも美しい佇まいですが、窓辺に置いて透過する蒼い光を楽しんだり、草花を一輪、そっと挿すのも素敵です。

Flower vase FK245
F1307-15
直径62 H170
Kaj Frank / Nuutajarvi / Finland / 1956-96
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