HIKE

時が刻まれる度にその希少性が高まってゆくチークやローズウッド材。国際条約において輸出入のコントロールがさらに厳しくなることを考えれば、今こうしてチーク無垢材の家具を販売できるのは幸せに思う必要があるかもしれません。2100年には世界人口が125億人近くになると予測され、これは1980年代に僕らが習った45億人の3倍弱の数字。地球を守る為に森林の役割はさらに高まり、森林伐採は過去の産業と位置づけられ、家具は廃材チップを固めた樹脂板の上に木製柄シールが貼られたされたモノが多く出回り、「昔は本物の木を使った家具があったんだよ、あの頃はマグロも食べていたんだ。。。」なんて話しもあり得るかもしれません。

地球の資産を後世へと引き渡してゆくことが我々の社会的役割。2100年以降も木製家具として使い続けられるように最大限のメンテナンスを施している。もしかしたら2100年に辿り着く前に誰かがメンテナンスするかもしれないが、日付の入ったハイクステッカーを見て、時の流れを感じてもらいつつ、我々のメンテナンスの確かさも感じてもらえれば、これ以上嬉しい事はない。それは、今僕らが50年前のステッカーや焼印を見て、当時のデザイナーや職人に敬意を払うのと一緒。時代を超えてひとつのモノが未来へとバトンタッチされてゆく様はなかなな良いなと思うのです。そう思うと、メンテナンスをさらに精進させ、新たに製作する家具も確かなモノを製作しなければと気持ちを引き締める次第。

スミマセン、前置きが長くなりました。暖かみある風合いに経年変化したオールチークのダイニングチェア。幅広の座面はゆとり感に満ち溢れ、背形状に沿う様な背板は優しさを持って受け止めてくれる。オーガニック形状の背板はこの椅子のシンボルデザインとして、テーブルに納められたときの姿も美しい。後足は後方へ伸びつつ&末広がりだから、思い切り深く座っても安定感は抜群で揺らぐ事がない。ディテールをよく見てみれば北欧の意匠面の確かさが散りばめられている。アーチを描いた座面下の貫、座面が浮いているかのように見える構造美、木材同士の接合部に柔らかみをもたせる意匠など、ノンブランドでもここまで追求する当時の北欧人の感性にあっぱれ。座面布、ウレタンは交換済み。4脚セットでの販売。

次世代へ接続可能な家具として蘇らせました。
フルサンディング(研磨）によって劣化した塗装シミ、傷、汚れを除去し、その後、耐水、耐退色効果のある特殊な素材を浸透・硬化させ、トップコンディションの状態である「ハイク・クオリティ」まで仕上げを施しました。ご購入後、木部のアフターケアも対応します。

コメント：須摩光央（買付け担当担当）