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アルネ・ヤコブセンによる "Pot chair" Model3316。半世紀以上前のこと、デンマーク・コペンハーゲンのあるSAS ROYAL HOTELの建築、室内外の内装を手がけたヤコブセンは館内、室内に配置する家具もデザイン。今でも製造されているエッグチェアやスワンチェアは有名だが、隠れた名品"Pot chair"も生み出す。メインロビーや室内には訪れた人々の記憶に残るようなアイコン的なエッグやスワンを配置。一方ポットチェアはキャラクターやサイズ感が抑えられ椅子としての業務に徹するよう、決して広くない館内のバーや吹き抜けのウィンターガーデンに 数多く配置されることになる。エッグやスワンチェアに比べると1年遅れでデザインされたことを考慮すると、ヤコブセン、またホテル側の空間構成における配慮が伺える。

エッグやスワンはその形状から座るカタチが決ってしまう心地悪さはあるが、それ以上に意匠としての完成度が高くアイコン的な存在としては申し分ない。一方ポットチェアはある意味ルーズな座り心地で背筋を伸ばして座る事もできれば、背を後方に伸ばし脚を深く組んでゆったり座る事もできる。長時間にわたってアルコールを楽しんだり話し込んだりするには、座りの自由度があった方が快適で、館内のバーやラウンジテラス用の椅子としては最適だったのだろう。建築、内装、そしてエッグとスワンという強烈なアイコンをさらに引き立たせつつ、自らの活路も見いだしたポットチェアは、SAS ROYAL HOTELの意匠と機能のバランスを担ったいたと言っても過言ではない。その平静なる佇まいの中に確固たる信念が垣間みれるポットチェアに魅了されているのは僕だけはないだろう。

ウレタン、レザーは交換済み。プロポーションが美しいヴィンテージ品のごとく薄く張り直しました。現在では製造されておりません。在庫は2脚、単体でもご購入していただけます。左記価格は1脚の場合。

製造され既に50年以上月日が流れましたが、もう50年お使いいただける様なメンテナンスを施しております。レザーの経年変化をはじめからから楽しんでみて下さい。

追記:1脚は既に販売。残り1脚となりました。

次世代へ接続可能な家具として蘇らせました。
フルサンディング(研磨)によって劣化した塗装シミ、傷、汚れを除去し、その後、耐水、耐退色効果のある特殊な素材を浸透・硬化させ、トップコンディションの状態である「ハイク・クオリティ」まで仕上げを施しました。ご購入後、ウレタン、レザー交換のアフターケアも対応します。


コメント:須摩光央(WEBSITE担当)

Pot chair Model 3316
14S09-0198
W720 D610 H700 SH400
Arne Jacobsen / Fritz Hansen / Denmark / 1959
SOLD OUT