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「このユニークな椅子のデザイナーは誰なのか!」様々な憶測が飛び交うことでマーケットはヒートアップし2008年以降急激な価格上昇がはじまる。これを受けオークション会社・ブルーンラスムッセンはそれを突き止めるべき調査を開始する。そしてひとつの結論を導く。「デザイナーはPhilip Arctande、ファクトリーはNordisk Staal & M�・bel Central、製造年代は1940-1944」と。結果が出てもマーケットには落ち着きがもたらされず、この類いまれなる形状の椅子の人気は衰えるどころか、ミステリアスなストーリも相まってさらに需要が高まってゆく。国際オークションマーケットで高額で取引され続ける希少なイージーチェア“Clam Chair”。昨今では素敵な邸宅を撮影した洋書には必ずと言っていいほどこの椅子が配置され、インテリア好きの方であればきっと目にしたことがあると思います。現代では美術品として、また資産価値としてもマーケットを賑わす。ちなみにこの“Clam Chair”の意味とはハマグリを開いたようなシート形状から“ハマグリチェア”というユニークな愛称で親しまれている。長くなりました、さてインプレッションです。

この“Clam Chair”が生み出されたのはウェグナーやモーエンセンが活躍する少し前の時代、1944年のデンマーク。北欧家具文化の礎となる活動として、家具店主催のコンペにより発表されました。アート作品のような有機的なフォルムは、当時どれほど革新的だったのか、さぞ世間に強い影響を与えたことと思います。その証拠に当時のデザイン誌またはインテリア誌を開くと、必ずと言っていいほどこの椅子が置かれた空間を目にします。技術面にも注目してみましょう。直線が皆無のこのシートにファブリックを張る事は大変難しく、熟練の職人が確かな経験と技術で形作られている。コロッとした脚は無垢材を丹念に削り出し、アームには極太の曲げ木が。途中で継がれてはいますが、これほど豪快な作りは唯一無二。他の家具では感じられないビーチ材の表情も楽しめます。手間暇がかかったこの椅子は当時も安くはなかったでしょう。セレブ層を中心に注目を集め、限られた人のステータスとなっていたのかもしれません。

さて、座り心地はいかがでしょうか。腰かけてみると意外にもしっかりした弾力のあるシート。中材にはパーム(ヤシの繊維を固めた素材)とウレタンが使われています。上部が左右に張り出した背もたれは肩までしっかりサポートしてくれますから抱擁感を感じる作り。手当たりのよいアームはついつい手で撫でてしまう程に気持ちがいいです。生地は国内で張替済み。ウレタンも交換しましたので安心してご利用になれます。フカフカの羊毛バージョンもありますが、湿度の高い国内ではファブリックが最適。量感ある生地をチョイスしていますから意匠性はそのままに、季節問わずお部屋にセット可能。クールな空間にセットすれば遊びの効いた一味違った空間になります。

次世代へ接続可能な家具として蘇らせました。
フルサンディング(研磨)によって劣化した塗装シミ、傷、汚れを除去し、その後、耐水、耐退色効果のある特殊な素材を浸透・硬化させ、トップコンディションの状態である「ハイク・クオリティ」まで仕上げを施しました。ご購入後、中材、張生地の交換、木部のアフターケアも対応します。


コメント:中島(ショップスタッフ)

Easy chair “Clam chair”
14S09-0022
W630 D790 H810 SH360
Philip Arctande / Nordisk Staal & M�・bel Central / Denmark / 1940 / Beech wood
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