HIKE

ウェグナーによるイージーチェアAP16。

代表作ベアチェアなど数々の名作を生み出したデンマーク屈指の家具工房AP Stolen社から1951年に発表されたモデル。 1976年に廃業した同社の中でも、ウェグナーが初期にデザインしたもので当時の生産数も少ない為、希少価値の高い1台。 ウェグナーが好んだオーク無垢材を丁寧に削り出して製作されたウッドフレームは、彼のデザインの中でも控えめで繊細さの感じられる印象だが、 AP stolen社の腕利き職人と膝を突き合わせ、座り心地と美しいフォルムの構成を熟慮した作品であることを深く味わう事が出来る。

ヤシの繊維や馬毛などの天然素材とウレタンを併用し内包したシートクッションにゆっくり腰を降ろしてみれば、自重によって適度に沈み込み、 これまた程よい硬さの背当たりが腰を支え、 背中から肩までをしっかりサポート。 人間工学に基づき計算された絶妙な角度によって自然と楽な体勢へと誘われる感覚が心地よい。 両サイドから伸びるアームは、中心部が広く肘当たりの良さと安定感を備え両腕を添えれば全身の余計な力が抜けていく。 座っている時の役割はもちろん、立ち上がりの際もつかみ易くすっと体を起こす事が出来る。

デザイン性と機能性の両方を持ち合わせた至極のパーソナルチェアは、趣味の読書や映画鑑賞のお供に最適、この先も長い付き合いになる事間違いない。 バックショットも美しいですから、お部屋の真ん中に贅沢に置いて使用したい。 クッション張地、ウレタンフォームは新規に交換済み。生地はファブリック分野で世界的なトップブランドKvadratの“Field”をセレクト。 ポリエステル製の2色の糸を縦横に縫い合わせた生地は上品な光沢と立体感を持つ。経年変化によって深みを増したオークフレームに落ち着きのあるグレーが良く似合う。

コメント：谷山

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