SOLD OUTArchives

ニールス・O・モラーによるダイニングチェア「Model 77」。家具職人でもあるモラーは1944年に自身の家具工房J.L.Mollerを設立し、その2年後には椅子製作をスタート。 モラーの美意識がよく表現されている椅子類はいずれもモダンで世界的な評価も高い。Model 77は1959年にデザインされて以来、現代でも大切に作られ続けるモラーの代表作と言えるでしょう。

全体に使用されるローズウッド材は現代ではワシントン条約により輸出入を制限されている希少種。従って現代のラインナップには既にない。燃えるように力強くありながら落ち着き払った佇まいが魅力的で、上品なダイニングシーンを構築できる。もちろん現代のラインナップにはありませんから、この仕様はヴィンテージならでは。全体的に要素を削ぎ落としたミニマルな意匠を追求。唯一量感のある背の笠木は後脚と滑らかに継ぎ合わせられて高い一体感を表現している。

腰を下ろしてみると幅広の座面はゆとりがあり、背板はファブリックに包まれ優しさを持って受け止めてくれる。前方へ緩やかに弧を描くアームに両腕を添えればさらに居心地の良さと高い安心感を得られるでしょう。気品ある佇まいの一方で、道具としての役割が最大限発揮されている堅実さがなんとも北欧デザインらしい。食事を楽しんだ後、すぐにソファに移動することなく、 長い時間ダイニングで会話を楽しむ事ができそうだ。

ならではと言えば、座面に使用されるファブリックコードもそう。当時でも珍しかったこの仕様は色彩豊かで柔軟性もあり、何より軽量性が素晴らしい。握りやすそうな背の笠木を握って持ち上げてみると、うん確かに軽い。そのまま椅子をひいて腰を降ろしてみると、ファブリックコードは適度なテンションでお尻をしっかりと支持。幅、奥行きにゆとりがあることと、あと通気性がいいからか開放的で気分がいい。

脚に貫がなくても前後左右の負荷に対して揺らぐことなく、細い脚はしっかりと地を捉えている。幅広の座枠が構造の肝となっているが、ファブリックコードを巻き込むことで野暮ったさを感じさせない点はさすがモラーと言ったところ。部材を少なくするという事はそれだけ技術力が求められるが、およそ50年の時を経て今、私たちの前に立派に存在することこそその証明と言えるでしょう。

ファブリックコードはヴィンテージコンディションとなります。まだまだ使える状態ですが僅かに使用感があります。コンディションがご不安な場合には必ず現物ご確認をお願いします。別途料金にてペーパーコードへの張替え承ります。2脚セット(@90.000 x 2)の販売となります。


コメント: 中島


2000年のオープン以来、「物質の循環」「自然との共生」をテーマに、ヴィンテージ家具の永続的使用を追求しています。末長くご使用いただくことを考慮し、下記メンテナンスを施しております。ご購入前に一読していただけますと幸いです。

木部補修  生地張替  サポート  木材種類  無断転載について

Chair Set
17D09-0063
W500 D470 H770 SH440 配送料金Bランク/2脚
Niels O Moller / JL Moller Fabrik / Denmark / 1959 / Rosewood
SOLD OUT