HIKE

Peter Hvidt & Orla Mølgaard Nielsen(ピーター・ヴィッツ&オムラ・ミュルゴー・ニールセン)によるソファーテーブル。ピーター・ヴィッツは工芸学校で建築を学んだ後に、間もなくして自身の設計事務所を設立。オルラ・M・ニールセンは家具職人の修行後に、コーア・クリントやアルネ・ヤコブセンの事務所で勤務。1944年には共同でHvidt＆Mølgaard社を開設し、建築、内装設計、家具デザインなど多岐に活躍した。こちらはその2人が France & Daverkosen社のために1950年代にデザインを手掛け、本作はその後身であるFrance & Sonが1960年代に製作したもの。長い期間製作され続けていたことからヒット作品であったことが窺い知れる。派手さはないけれど引き込まれる魅力を有し、それは美意識や造りの確かさが滲み出ているからかもしれない。

天板にはチーク無垢材ならではの美しい木目が、室内に居ながらも我々を自然界へと導いてくれる佇まいを醸し出している。その天板は十分な厚みがあるが、縁を限りなく薄くすることで天板自体の厚みをまるで感じさせない工夫が意匠に施されている。深みを増した真鍮パーツによってサポートされる棚板も同様な細工がなされ、中央にはきめの細かいラタンが美しく鎮座する。先の細くなったテーパー丸脚も天板、棚板と呼応するかのような繊細さを持ち合わせ、凛としたテーブルの佇まいが感じられるだろう。チーク無垢材、ラタン、真鍮の親和性は、足し算ではなく掛け算のような組み合わせとなり、より一層の美しさを発揮しているようだ。繊細な造形は現代インテリアとも上手に馴染んでくれることだろう。

コメント：中島

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