VINTAGESelect Mid Century Modern Furniture

こちらのイージーチェアはデンマーク人デザイナー、オーレ・ワンシャーによるもの。彼はデンマーク家具デザインの父と呼ばれる巨匠Kaare Klint(コーア・クリント)に師事。クリントの教えである”リデザイン”を継承し中国やエジプト、ギリシャなどの古典的な家具を自身の作品にも多く取り入れた。当時の新聞記事では作品について、”彼の椅子を所有した人は何百年もの間、毎日そこに座ることになるだろう。なぜなら素晴らしく丈夫だからだ。”と賞賛している。自身もクリントの後を担いデンマーク王立芸術アカデミーの主任教授を務め、これからのデンマークデザイン界の指導者としても活躍していた。

製作はP.Jeppesens社。1930年頃に創業し、フランス&ダヴァーコセン、フランス&サンと体制が変わりながら、1967年にデンマークの家具デザイナーポール・カドヴィウスに買収されカドとなるも1970年代に幕を閉じます。本作はその後、P.Jeppesens社に受け継がれて製作されたもの。座枠にひっそりとあるファクトリーサインを見れば一目瞭然ではあるが、外見からもその違いが分かる。初期のフランス&サンでは背の笠木が1本であったが、構造的な確かさを得る為にCADOでは2本に。そして、P.Jeppesens社製では本体側面に見えていたボルト穴がなくなって笠木の下側小口へと変更されている。意匠的にもより完成度が高められるかたちで受け継がれており、各社が本作を大事に考えていたことが窺い知れる。

このイージーチェアは1951年に発表され、「Senator (上院議員)」と名付けられた。大切なお客様を招く応接室などを想定してデザインされたのだろう。シートクッションは適度な硬さで座や背の角度も控えめであることから姿勢よく腰掛けることができる。また、立ったり座ったりの動作も容易で、腰への負担も少ないので腰痛に悩みがある方にもお勧めしたい椅子だ。

チーク無垢材を使用したフレーミングはアメリカへの輸出を考慮してノックダウン構造。前述したボルト穴はこの為のもの。適度な太さのある木材が的確に組まれており安心感を感じる点は秀逸である。各部材に設けられた曲線にも注目してみると、特にアームの造形はひとたび手を這わせればしっとりとした木肌と適度な丸みがよく手に馴染んで大変心地よい。感覚の鋭い手先から伝わる情報が寛ぎとして脳内で変換されるのだろう。

コンパクトな1人掛けなので、リビング、書斎、ベッドルームなど様々な状況に対応できるだろう。バックショットも素敵であることから、壁を背負う置き方だけでなく、レイアウトの自由度が高い。また、今回は珍しくオットマンも付属したセットなので、よりリラックスできるのは嬉しいところ。時間を忘れて映画を楽しんだり、読書に没頭する休日の姿が容易に想像できる。


クッション張地、ウレタンフォームは国内にて新規に交換いたしました。張地はスペインのファブリックメーカーGuell Lamadridによるコットン100%の生地をセレクト。柔らかな肌触りは素肌で触れるととても心地よいです。シンプルな生地ですが、天然繊維ならではの風合いの変化が表情となり、ウッドフレームと共に長く楽しんでいただければ幸いです。


コメント:中島



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Ole Wansher / P.Jeppesens / Denmark / 1951 / Teak wood
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