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デンマークOmann Jr社によるガラスキャビネット。一見するとシンプルな平面構成に思えるが、放つ存在感にはただならぬものを感じる。使用する木材はローズウッド材。現代ではワシントン条約により輸出入が制限される希少種で、僅かに艶を纏い、辺りの光を柔らかく受け止める佇まいは何とも上品。だからこそ、持ち手の一切も設けずシンプルにまとめた意匠こそが、Gunni Omannの思慮深きところと言えるでしょう。

上段ガラス扉の小口は斜めにカットされ、陰影を作り出し立体感を表現。ローズウッドの硬質な印象が上手に活かされている。緑青(ろくしょう)により風合いの増した真鍮の鍵で解錠し、そのまま持ち手として引っ張り開閉。中には可動棚が6枚。ダボ穴の数が多く、自由度の高いレイアウトが組めるのは機能的で嬉しいところ。意匠を優先するならば、ガラス扉のグリッドに合わせてセッティングするといい。また、上段ガラス戸は下段収納よりもセットバックして存在感を軽減。ガラスの透明感も相まって開放感を感じさせる。

下段は2杯の引出しと扉が2枚。それぞれの小口は上段と同様に斜めにカット。前面の木目は、左右対称になるよう同じ木材から切り出し、さらに上段グリッドの縦ラインと合わせて木目を切り返している。扉を開くと裏面までローズウッド材で仕上げられた上質な造り。左右それぞれに可動棚が1枚ずつセットされ、用途に合わせて高さを調整すれば、どんなものもたっぷり収めておけるだろう。エッジの効いた脚により抜け感は良好。こうしたこだわりの一つ一つは、まるでジグソーパズルを完成させるように丁寧に考えられていることが分かる。

ダイニングにセットすると、ちょうどテーブル越しに上段ガラス戸が望める高さ。今まで戸棚にしまい込んでいたお気に入りの食器を綺麗に並べてみれば、エピソードトークに花が咲きそう。扉、引出しはスムーズに動作するよう調整済み。上下分割式ですから納品も安心。設置時には付属の金具で上下を連結してください。

次世代へ接続可能な家具として蘇らせました。
フルサンディング(研磨)によって劣化した塗装シミ、傷、汚れを除去し、その後、耐水、耐退色効果のある特殊な素材を浸透・硬化させ、トップコンディションの状態である「ハイク・クオリティ」まで仕上げを施しました。ご購入後、木部のアフターケアもご対応します。


コメント : 中島

Cabinet
17D02-0026
W1200 D420 H1890
Ginni Omann / Omann Jr / Denmark / 1960's / Rose wood
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