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ハンス・ウェグナーによってデザインされたイージーチェアAP62。製作は現代にも数多く残るウェグナーの名作を生み出したファクトリーAP Stolenによるもの。(但し、残念ながらAP Stolenは現存せず、PP Moblerなどの名ファクトリーがその後を継いで製作している)

この椅子の最も特徴的なところは前脚でしょう。角のない優しいフォルムのアームとエッジの効いたローズウッド材が密接する斬新な発想。僅かに艶をまとった硬質なローズウッド材が上手に惹きたてられている。この手法は同じくAPストーレンで製作されたベアチェアのネイルと似ており、布張りを得意とするファクトリーの特性を活かしたウェグナーらしいデザイン。また、丸い木栓も見逃せない。当時は構造的な要素はなるべく隠すのが一般的。そこをあえて意匠的に活かすのも彼らしいと言える。

腰を降ろせばフェザークッションが優しく受け止めた後に、背中やお尻に形を合わせて高いフィット感が得られる。座の角度はフラットに近い。深く腰かければ姿勢よく上体は起き上がり、読書や映画鑑賞など長時間利用も問題ない。また、浅く腰かけても快適そのもの。低めのシートポジションをいかして大胆に足を前に投げ出して寛ぐのもまたいい。座り心地を選ばない懐の深さが感じられる。肘掛けにもクッション材が入り、腕当たりはソフト。ゆとりある幅もいかして斜め座りしても気持ちいい。

背もたれの高さを抑えることで空間を広く見せられるのも特徴の一つ。また、脚元の抜け感も良好。リビングにコーディネートされる他に、書斎やベッドルームなど限られたスペースに置かれてもいいでしょう。側面、そしてバックショットもよく考えられていますから、配置する向きも問わない秀逸な意匠性はさすが。国内で張り替えたブラックファブリックは少し光沢感があり、ローズウッド材と素晴らしい関係性を築いている。

肘掛けのウレタンフォームも張替時に併せて交換済み。座と背のクッション中材は天日干ししていただければ、ふっくらと弾力が再生しますので、半永久的に座り心地を保つことが出来る。ご購入後の張替、ウレタン交換、フェザーの追加調整も承れますのでご安心ください。


次世代へ接続可能な家具として蘇らせました。
フルサンディング(研磨)によって劣化した塗装シミ、傷、汚れを除去し、その後、耐水、耐退色効果のある特殊な素材を浸透・硬化させ、トップコンディションの状態である「ハイク・クオリティ」まで仕上げを施しました。ご購入後、フェザーダウン付け足し、もしくは交換、生地張替え、木部のアフターケアもご対応します。木材の詳細はこちらをご覧ください。


コメント : 中島


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Easy Chair
17D02-0049
W770 D770 H680 SH380 配送料金Cランク
Hans J Wegner / AP Stolen / 1962 / Rose Wood
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