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こちらはデンマーク人デザイナー、ハンス・ウェグナーが1953年にマットレスメーカーGETAMA社と協力して発表したソファGE290。 65年経った現在も造り続けられる名作として知られている。椅子の巨匠と称されるほど数々のソファをデザインした彼の作品群の中で、ごく一部の作品がラインナップに残るわけだからこれは凄いこと。 その秀逸さをよく見ていきましょう。

このソファの最も特徴的なところは後脚の構造でしょう。この構成はその後に手掛けるソファにも多く取り入れられたデザイン。 側面の座枠がそのまま後ろ脚の役割も果たすことで部材の数を減らし、作業工程の簡略化や木材節約に効果がある。 ひいては環境保護の観点からも優れたデザインと考えられ、現代を生きる我々にとっての課題をウェグナーは既に感じとっていたのだろうか。

幅広のアームは、オーク無垢材の力強い木目をよく表現しており、手で撫でると木目の凹凸感が伝わってくるほど。 目や肌を通じて天然木の温もりが感じられる。この形状はホールドし易く立ち上がる動作を楽にしてくれる効果も。 抑えられた高さによって視線抜けは良好。例えばリビングとダイニングを仕切るように配置すると、バックショット越しに映画だって楽しめでしょう。 長く大切に愛用されたオーク無垢材は深みのある飴色へと変化を遂げ、ヴィンテージならではの風格を纏うよう。

腰を降ろしてみると、スプリング入りのクッションが適度な反発力でお尻を支えてくれて、沈み込み過ぎず長く快適に寛げそう。 角度が深くつけられた座面によって上半身は自然と背もたれへ。すると、ふぅ〜と吐息ともに体中の力が解放されるような感覚が心地よかった。 6つに分割されたクッションは横に誰か座っても不快な揺れは伝わらず、たまにひっくり返して表裏をバランスよく使っていけば長持ちもする。

張地はデンマークの老舗ブランドKvadratの“Umami”で張替え済。5つ目の味覚である「旨味」から命名されたこの生地は、コペンハーゲン・ファッション・ウィークのDesigner’s Nestアワードを受賞するなど、今デンマークで活躍するデザイナーLouise Sigvardt(ルイース・シークバット)が手がけたもの。一見単色に見える生地だが、よく見ると縦糸に黒と明るいグレーを使用し、デヴォン織りと呼ばれる織り方で表面全体にリズム良く配置された幾何学的なアーチ型が浮き上がる。その為、290の骨太なオークフレームもより上品でモダンな印象に仕上がった。併せて中材のウレタンフォームも交換済み。

次世代へ接続可能な家具として蘇らせました。
フルサンディング(研磨)によって劣化した塗装シミ、傷、汚れを除去し、その後、耐水、耐退色効果のある特殊な素材を浸透・硬化させ、トップコンディションの状態である「ハイク・クオリティ」まで仕上げを施しました。ご購入後、生地張替え、木部のアフターケアもご対応します。


コメント :中島


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Sofa
17D09-0130
W1810 D820 H760 SH420 配送料金Eランク
Hans J Wegner / Getama / Denmark / 1953 / Oak wood
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