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数々の名作椅子を作り上げてきたハンス・ウェグナーと、100年以上の歴史を誇るデンマーク ゲタマ社によるソファ GE530。両者の出会いは1950年代初頭、それまではベッドメーカーであったゲタマがウェグナーに家具デザインを依頼したことがきっかけ。GE290を筆頭に初期作品から、現在まで続くロングセラーが登場したことは同社にとって大きな転機となる。ソファクッションは従来の技術が活きるところですが、複雑な構造のソファフレームを製作することは容易なことではなかったはず。オリジナリティ溢れるウェグナーのリクエストに応えるべく、大変な努力があったことでしょう。

GE530の特徴的なところは弓なりのアーム。骨太な素材使いはいかにも彼らしく、唯一無二の個性を感じさせるシンボリックなデザインは、意匠、機能の両面で大切な役割を果たしている。一見すると、無垢材をそのまま曲げているように見えるのだが、それは技術的にはかなり困難なこと。思い通り成型できず、苦悩の日々だったに違いない。導き出された解決策は無垢材を5mm程度の厚みに割き、それを積層させ、熱を加えながら負荷をかけ整形する方法。これで亀裂一つ入ることなく美しい曲線を表現できるようになる。そして、アームから下に伸びる脚も負けず劣らずたくましい。角型から丸形に変わり、無垢材ならではの重量を感じさせながらドッシリと床をとらえる安心感はさすがという他ない。

腰を降ろすと、ウレタンクッションがお尻を包むように優しく受け止めてくれる。懐が深く自由な姿勢がとれ、両足をあげて胡坐をかいてみたり、ゴロゴロするにも快適。抑えられたシートハイにより足を軽く前方に投げ出す格好となり、オットマンに足をのせたような安楽性が感じられるでしょう。低めにセッティングされたアームは深く腰掛けても、浅く腰掛けてもベストな位置で待ちかまえてくれるのはこの形状だからこそ。立ち上がる動作では、太いアームの先はホールド感がよく力が入りやすく立ち上がり易い。

使用される木材はダークトーンに仕上げられたスモークドオーク。オーク材に含まれるタンニンに働きかけ色を深くした仕上げのため、一般的な着色よりも自然な仕上がりが特徴。手を沿えると表面に塗膜感はなく、木目の凹凸感がしっかりと残っているのが指先から伝わる。オーク材はもともと力強い木目の持ち主ですから、素材のもつパフォーマンスを最大限に発揮している仕上げと言えるでしょう。ファブリック、ウレタンフォームも新規に交換済み。僅かに光沢感のあるモダンな生地感が上品な佇まいを表現しつつも、僅かに含まれたコットンにより柔らかな肌触りが心地よく感じられる。

倉庫保管となりますので、現物をご確認されたいお客様は事前にご連絡を下さい。


コメント:中島


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Hans J Wegner / Getama / Denmark / 1973 / Oak wood
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