HIKE

オーバル型のダイニングテーブルは珍しい。四角い部屋に四角いキャビネット、四角いキッチン、その空間に丸みを加えてあげるだけで実にユニークなダイニングシーンになるでしょう。正円ではないので縦置き、横置きができますから間取りに合わせてレイアウトし易く、角がない為、動線にもゆとりを感じる。席についてみると皆が自ずと中心に向かい腰掛ける為、お互いの顔を見ながら自然と会話が弾むのも楽しいところ。

テーブルには必ずと言っていいほど天板下に幕板が備わる。天板の反りや歪みを防ぐほか、脚と強固に接続するための大切なパーツだが、椅子を収める上ではアームチェアの肘掛けの先と干渉してしまうことが時々。しかし、このテーブルの幕板をご覧ください。特にラウンドしている短辺側は大きくセットバックしており、大抵の椅子は深く収まるだろう。また、太もも周りが開放的なので脚を組む方にとっても快適に違いない。

通常時の天板サイズは幅1550mmと4名で食事するには十分な広さ。そこにスペア天板が加わり、2100mm→2650mmへと段階的に拡張していくと、6〜8名で利用出来るためご家族やご友人を招いてのホームパーティのときも安心。そして、秀逸なのはスペア天板の保管場所。天板を両側から引くと中央から離れて広がるのですが、その中に格納されているのですからよく考えられている。

使用される木材は長い年月を超えてきたローズウッド材。今はワシントン条約で輸出入が制限された希少な木材として知られている。深い褐色の木肌に黒い木目が特徴的で、ビリヤードのキューや楽器などに用いられるなど趣向性の高い品物にも好んで用いられたそう。我々のメンテナンスによって再び硬質な艶をとり戻し、その落ち着いた佇まいには風格すら感じられるでしょう。

コメント：中島

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