HIKE

ボーエ・モーエンセンがデザインを手掛けた「MODEL2253」。製作ははデンマークを代表するトップメーカーフレデリシア社によるもの。両者は密な協力関係により成長していき同国の家具デザインを世界レベルに押し上げた功労者と言えるでしょう。この作品を通してその所以を探っていきましょう。

直線的な全体構成はモーエンセンの代名詞。貫は的確に配置され、構造的な安心感は申し分ない。これらは生産性を考慮したデザインであり、自動車メーカーの生産ラインに影響を受けて、家具デザインに応用したことがきっかけとされる。（当時は1人の職人が手作業中心で製作することが一般的であった。）また、側面には真鍮ボルトの頭が点在するが、これを外せばフレームは分解され輸送コストを抑えられる工夫。もちろんオーク材と真鍮の組み合わせは意匠的にも美しいだけでなく、良質な家具を世界へ届けたいとする作り手の想いがよく伝わってくるところ。

クッションには高密度なウレタンフォームを使用することにより、しっかりめの弾力で体を受け止めてくれる。高さがある背もたれは肩までしっかりとサポートしつつ、緩やかなカーブは背中の曲線にフィットして高い安心感を得られるでしょう。その一方でハイバックの3人掛けともなると存在感が増しますから、クッション厚を抑えることで軽やかさになり、シルエットの美しさも際立つ。ネッククッションはレザーバンドで固定され、体格に合わせて高さ調整が可能。これなら長時間の読書、映画鑑賞も快適に過ごせそう。/p>

ファブリックはデンマーク Kvadrat社のTonus Meadowで張替えを済ませている。デザインはジョージ・ジャンセンなどの製品も手掛ける二ナ・コッペル。上質なニュージーランドウールの質感を大切にシンプルな平織で織られたており、濃淡のある糸を組み合わせた奥行きある表情が、天然繊維の表情をより豊かに感じらるよう。中材のウレタンも交換済ですから安心して末長くお使いいただけます。

コメント：中島

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