HIKE

Hans Olsen(ハンス・オルセン)によるイージーチェア。北欧ミッドセンチュリー期にデザイナーとして活躍した彼だが、30歳まで家具メーカーの職人を転々としていたという。その後、王立アカデミーに入学しコーア・クリントに師事すると、人間工学と人体測定の研究に重点を置き、快適さを実現する為の家具デザインを確立しはじめる。同時期に名を馳せたウェグナーやヤコブセンに比べ知名度はないが、繊細な美意識は当時よりも現代のヴィンテージマーケットで高く評価されている。

その魅力はなんといっても流麗な本体のシルエットでしょう。肘掛けが滑らかにカーブしているが、特徴的なのはクビレるように下方も僅かにカーブしているところ。高さが抑えられていることもあり、この美しい肘掛けが象徴的に感じられる。また、全体をファブリックで包むことで表現される僅かな丸みはいっそうエレガントなステージへと高めているよう。枝先のようにシャープに先細りしたテーパーレッグは本体との親和性が高く、脚もとは軽快に。

シートクッションにゆっくり腰を降ろしてみれば、自重によってウレタンフォームが適度に沈み込み、程よい硬さで体を頼もしく受け止めてくれる。人間工学に基づき計算された絶妙な角度によって自然と楽な体勢へと誘われる感覚が心地よく、華奢な印象に対して剛性感は申し分ない。彼が求める快適さを体感いただけるでしょう。

デザイン性と機能性の両方を持ち合わせたパーソナルチェアは、趣味の読書や映画鑑賞のお供に最適、この先も長い付き合いになる事間違いない。 コンパクトサイズなので設置場所の選択肢が多いのも嬉しい。

座面裏には、1925年創業のデンマーク老舗インテリアデパートメント・イルムスボリフスで当時販売されたことが伺えるプレートが残る。

ファブリック、ウレタンは国内にて新規に交換済み。ファブリックは、インポートの上質な明るいグレー生地をチョイス、コットンリネンの生地は肌触りもサラリとしてこれからの季節ますます気持ちが良いでしょう。　

コメント： 谷山

2000年のオープン以来、「物質の循環」「自然との共生」をテーマに、ヴィンテージ家具の永続的使用を追求しています。末長くご使用いただくことを考慮し、下記メンテナンスを施しております。ご購入前に一読していただけますと幸いです。

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