HIKE

ハンス・J・ウェグナーがデザインを担当、製作はデンマークのGETAMA社が手掛けたソファ「GE270」。GETAMA社は当時ベッドメーカーとして知られていたが、同氏の協力を得て数々の名作ソファをつくり上げ、現代にも残るファクトリーとなった。このソファはそんな両者の初期の作品となる希少なモデル。深みが増したチーク無垢材の表情がその風格を漂わせているよう。

ハンドクラフトのイメージの強いウェグナーだが、こちらは機械工作を多く取り入れて量産化を図ったデザイン。よく見ると各パーツの接合部分に真鍮のジョイントパーツが見られるのは、運搬性や、組み上げのし易さを考慮してのことでしょう。一方で、ペーパーナイフのようにシャープな肘掛けには確かに職人の温もりを感じるところ。また、脚は端が細く、胴部分が太めになっているが、これは50年代に流行っていたのか、当時の家具によく見られる特徴だ。

クッションは薄めだが、しっかりとした弾力のクッションによりお尻の底付き感は全くない。座クッションを置いている座枠にはウェービングベルトが巻かれているので、むしろ見た目以上に奥深い座り心地。奥行きがゆったりしていますから、両足をあげて胡坐（あぐら）をかいたりしてもよさそう。映画をみたり、ゆっくりと家族との時間を過ごしても快適に過ごせることでしょう。

張地はデンマークの伝統的なファブリックメーカーによるもの。耐久力のあるウール生地が特徴で、オークフレームとの馴染みもいい。合わせてウレタン交換も済ませていますので、座り心地も申し分ありません。

コメント：中島

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