SOLD OUTArchives

フィンランドを代表するデザイナー、イルマリ・タピオヴァーラ(Ilmari Tapiovaara, 1914〜1999)によるファネットチェア。

タピオヴァーラは同国のアルヴァ・アアルトやパリに事務所を構えていたル・コルビュジエの下で働いた後、家具デザイナーとして多くの名作を残した。1946年のドムスチェア、1955年のピルッカチェア、1956年のマドモワゼルチェアなどと並び、1949年に最初のモデルが発表されたこのファネットチェアもそんな名作の一つ。この中で現行品が販売されていないのはファネットチェアのみなので、こちらのようにしっかりとメンテナンスされた状態のいいヴィンテージは狙い目だ。

スッと伸びた背中のスポークは、17世紀後半にイギリスで誕生したウィンザーチェアに連なるデザイン。初期のモデルではスポークが6本だったが、こちらはそれに改良が加えられた7本スポークの後期モデル。初期モデルと同様、スウェーデンのEdsby Verken社が製造している。

ファネットチェアの最大の特徴は、その視界の抜けのよさと軽やかなたたずまい。前後左右どこから見てもスマートでさまになるから、複数セットでダイニングに置くのはもちろん、単体でデスクやドレッサーに合わせても雰囲気がいい。チーク材の座面は中央にはお尻のかたちに沿うように凹みが設けられ、前面には緩やかなカーブがつけられている。また、背中のスポークは1本1本微妙に角度が変えられ、からだに上手くフィット。こうした巧みなデザインにより、クッション材がなくとも驚くほどやわらかい座り心地を実現している。

そして忘れてはならないのがもう一つ。この椅子、見た目だけでなく実際に軽い。その重さは片手でヒョイと持ち上げられるほどで、Edsby Verken社による1955年の広告ではファネットチェアを片手で軽々と持ち上げる女性の姿が描かれているくらいだ。椅子を引いたりちょっと移動させたりするのも楽々で、なんだか気分まで軽くなってくる。見た目の圧迫感のなさは前述のとおりだから、普段は壁際になんとなく置いておいて、気候がよくなったら本やドリンクを片手にバルコニーに持ち出してのんびり、なんて使い方も。そんなのちょっと素敵すぎ、かもしれない。


コメント:大塚


2000年のオープン以来、「物質の循環」「自然との共生」をメインテーマに、ヴィンテージ家具の永続的使用を追求し続けています。商品は下記のメンテナンスを施しております。ご購入前に一読していただけますと幸いです。

ハイク品質と特性  生地張替  サポート  木材種類  無断転載について

Chair
20D06-0149
W440 D470 H825 SH430 配送料金Bランク
Illmari Tapiovaara / Edsby Verken / Sweden / 1949 / Teak & Beech wood
SOLD OUT